ライター／ボールボーイ佐竹（カープ芸人）

 

ショッキングな知らせ

そのショッキングな知らせは、次の日の早朝からロケに行くため、いつもより目覚ましを早めの時間にセットし、「ピピッ…」というスマホから鳴らされるアラーム音と共にやってきました。

アラームを消すついでに、いつものルーティンである自分のスマホでSNSをチェックした、その瞬間にスマホの画面に映ったのは

「広島の西川龍馬外野手（２８）が１４日、昨年取得していた国内フリーエージェント（ＦＡ）権を行使すると明らかにした。パ・リーグの野球に興味があったと話し、パ・リーグへの移籍を希望している。入団から８年間在籍した広島を退団する見通しだ。」

 

 

いつもなら、ぼーっと5分ぐらいスマホを眺めて徐々に体と頭を起こしていくのですが、今回はその文字を見た瞬間、『マジか！嘘だろ！？』と飛び起きたのでした。

どこかでフェイクニュースであって欲しいと思いながら、いくつかのサイトを巡り、時間が経つにつれ、しっかりと頭が起きてくると共に、寂しさという感情が大きくなっていきました。

 

西川龍馬選手との出会い

西川龍馬選手と初めて会ったのは、西川選手がカープ入団した年、仲良くさせてもらっている菊池選手の食事会の時でした。

物静かな細身の選手だな、、。というのが正直な感想でした。

そんな第一印象の選手が、その後天才的なバッティングでファンを魅了して、カープの４番に座るまでになるなんて、その時は想像もしなかったです。

それから、インタビューをさせてもらったり、一緒に食事に行かせてもらったりするうちに、球場でも声をかけてくれるようになりました。

カープが三連覇を達成し、優勝旅行のハワイでのロケや、正月特番に一緒に出させてもらったり、オフのトークショーの司会など、気がついたら一緒に過ごす時間も増えて、仲良くさせてもらいました。

 

 

このコラムを書いていると、いろんな思い出がよみがえってきて、全てをこのコラムに記録用として残そうと思ったのですが、あまりにも多すぎて書ききれそうも無いので、僕が好きなエピソードを少しだけ書かせてもらおうと思います。

 

僕を選んで初出ししてくれた、とっておきのネタ

2019年、この年西川選手は内野手登録のまま外野手に転向しました。

「月間4本の初回先頭打者本塁打」という球団記録に加えて、「4カード連続の初回先頭打者本塁打」という日本プロ野球公式戦新記録を達成し、さらに８月の一軍公式戦における通算安打数は42本で、月間最多安打の球団タイ記録を樹立しました。

 

※写真はイメージ

 

そんな大活躍の西川選手とシーズン中のオールスター期間の休みが明けたぐらいに、ちょっと話す機会がありまして、「最近の活躍凄いね！なんか変えたの？」と聞いてみたところ、「実はどこにも話してないネタがあるんですよ。（ニヤリ）早よ　(インタビュー）来てくださいよ！」

それ聞いた時、めちゃくちゃ嬉しかったなぁ。

「絶対すぐインタビューいくからそれまで取っておいて！！！」と伝え、数日後にインタビューの時間を取ってもらい、ついに聞くことができました。

「西川選手のどこにも出してない好調の秘密は何ですか？？」

「実は、、オールスター休みの時に………富士山に登りました！！」

西川選手の好調の要因は、なんと富士山登頂による富士山パワーだったのです。いつか一緒に登りたいね。と話していたのですが、なかなか実現しなかったのが残念です。

でもこのネタの初出しを僕にしてくれてありがとう。インタビュアー冥利に尽きますし、めちゃくちゃ嬉しかったです。

他にも西川選手らしくない意外なネタが。

 

バットの重りをつけたままバッターボックスに入った事件

その時、ネクストバッターに西川選手、バッターボックスにはピッチャーの床田投手が立っていました。

そこで、床田投手が見事にタイムリーヒットを打ち、バットを持ったまま西川選手はホームに帰ってくるランナーの指示にまわり、そのまま打席に入ったら「なんか重いな」と思ってパッと見たら、重りがついたままで、相手キャッチャーに「それで打つの？」と言われ「恥ずッ」となって、しれっとバレないようにネクストバッターサークルに行って重りを返そうと思ったら、菊池選手にもバレてたみたいです。

感覚が変わるのが嫌だ、とマスコットバット（通常より重いバット）を振らない繊細な西川選手でも、そんなことがあるんですね。

この話を聞いて2人で爆笑したのがいい思い出です。