第一印象は「なんて笑顔の可愛い選手なんだ」64番高木翔斗選手|カープ道リレーコラム第30回
ライター/尾関高文(ザ・ギース)
今年の秋季キャンプは例年以上に若手の皆さんが楽しそうに、全力で練習に取り組む姿が印象的でしたね。中村貴浩選手が大きな当たりを連発したかと思えば、久保修選手は攻守にアピール。田村選手のバッティングフォームの美しさはずっと見ていたいほどでした。西川選手の大きな穴はそんな若手の皆様で埋めて頂きたいと願うばかりです。
そんな若鯉の中で特に私の印象に残ったのが、カープ64番の高木翔斗選手。カープの中でも超激戦区である「キャッチャー」というポジションで懸命に頑張る高木選手の姿から目が離せませんでした。
元々會澤選手がつけていた64という背番号に、石原慶幸コーチの県立岐阜商業というキャッチャーと縁が深い高木選手。小学生の頃からキャッチャーというポジションを担い、元高校球児だったお父様のサポートの元、2021年のドラフト7位で入団した選手です。
今年の6月広島のフラワーパークの若手選手のイベントで高木選手とは初めてお会いしました。
ドラフト1位の斉藤選手、河野選手などが並ぶ中で朗らかになんでも話してくれた高木選手。第一印象は、誤解を恐れずいうならば「なんて笑顔の可愛い選手なんだ」でした。
常に少年のような笑顔で、その柔らかい雰囲気は誰もが応援したくなる魅力に溢れたものでした。そのせいでしょうか、会場には「高木くん」書かれたうちわを持っている女性も数人いました。
会場では高木選手がチームメイトに集合をかけてゲーム(スマブラ)をしたり、サウナに行ったりすること。そして中学の時は放送委員だったことなどを知ることができました。
その明るいキャラクターで高校もキャプテンを担っていた高木選手。キャッチャーには他のポジションの選手よりも大事な「コミュニケーション能力」というものがあります。
ピッチャーの呼吸を読み、内野手の呼吸を読み、試合の流れを見る。全てを統括する能力が問われるポジションです。冷静な判断力とともに「仲間の気持ちを察し円滑にチームを動かす」という能力はやはり人柄が大事ですよね。
そんな皆に愛される才能に溢れた選手。それが高木選手の魅力の一つでもあります。こればかりは生まれ持ったものも大きいのではないでしょうか。余談ですが大野寮で宮本料理長に「こんなに食べるのは鈴木誠也以来だ!」と声をかけられたことがあるとのこと。あんなにお米が似合うのも高木選手ならではでしょう。
現在カープには會澤選手、坂倉選手、磯村選手をはじめ多くのキャッチャーがひしめき合っています。カープキャッチャー黄金期といってもいいほどの充実ぶりです。そんな中で高木選手の持ち前の恵まれた体格、そして打撃や肩をこれからどんどん磨いて頂きたい。
契約金は全てご家族に渡されたという高木選手。野球に関わってほしいという願いを込めて「ショート」と名付けたお父様は、高木選手の誰よりのファンです。ご家族のためにも、そして地元の皆様のためにも、そして何より「カープで4番を打ち城島さんのようになりたい」と述べた自分の夢のためにまずはファームでレギュラーを奪取してほしいものです。
今年のキャンプでお会いする機会があったので「だいぶ体が大きくなったのでは?」と聞くと「体重が97キロになりました!」と笑顔で答えてくれた高木選手。カープ初の大型捕手の誕生はすぐそこかもしれません。
広島ホームテレビで毎週水曜深夜に放送されている「カープ道」。カープを知らない、興味ない、乗っかりたい人必見のカープ学習番組です。CarpCarpCarpでは、毎週木曜日に番組出演者によるリレーコラムを掲載中です。