ライター／ボールボーイ佐竹（カープ芸人）

 

「開幕の試合なんとか勝ってチームに勢いをつけて、なおかつ自分も勢いに乗っていきたいなという風に思って開幕戦には臨みました」。

そう言って、2024年のカープ開幕投手である九里亜蓮投手は振り返ってくれました。

「気持ち的には変わらなかったですけど、マウンドに上がった時にはやっぱり独特な緊張感というかそういうのはやっぱりありましたね」。

僕が知る上で、普段から「プレッシャー」や「緊張」という言葉に縁がないように見える九里投手なんですが、やはり「開幕投手」は特別なものだったようです。

それからローテーションを守りながら好投していく中で、なかなか勝ち星に恵まれなかった九里投手。実はある気持ちがずっと心にありました。

 

 

申し訳ないという気持ち

「申し訳ないという気持ちがすごく強かったです」。

チームに申し訳ないという気持ちが常に心の中にあったのです。

「自分の勝ち負けは置いといて、結局僕が投げた試合でずっと試合に勝っていなかったので、すごく申し訳ないなと。チームを勝たせられないピッチングをしているなと、そういう気持ちが1番強かったです」。

普通の人間であれば、そんな状況に置かれれば落ち込んでしまうもの。

しかし、やはりプロは違いました。

「落ち込むよりもどうすれば勝てるかな、どういうピッチングをすればチームに勝ちをつけられるかということを常に考えて、終わった次の日からはそれを考えながら次の登板に向けて準備をしてという感じで日々を過ごしていました」。

 

そして8試合目でやっと今季初勝利を挙げ、今シーズン初のお立ち台に上がったのでした。

今シーズンのヒーローインタビューの中でも皆さんの印象に残っているのではないでしょうか？

涙ぐみながら答えてくれた九里投手の姿を。

「開幕からのすべてがあの場所に立ったときに全部巡ってきて、申し訳なかったなという気持ちがどんどん強くなってしまって、やっぱりいろんなことを思いましたね。チームメイトの皆さんもそうですし、なかなか勝てなくても使ってくださった首脳陣の方々もそうですし家族もそうですし、本当にいろんなことがよみがえってきました」。

マウンドで気迫溢れる形相で感情を表してくれる九里投手の、あの涙にはグッとくるものがありました。

 

九里投手のイメージ

そんな九里投手、皆さんのイメージはどんな投手イメージですか？

僕の中では、「元雨男！怪我しない猫舌鉄腕ピッチャー。」というイメージなのですが、少々情報量が多いので、そのイメージについて少し解説を。

 

まずは「元雨男」

2018年ぐらいに九里亜蓮＝雨男というイメージありましたよね？

その当時、脱雨男に導いてくれたのが、前田健太投手が初めに作った、「NO RAIN　NO RAINBOW」と書かれた雨男Tシャツの存在でした。

前田健太投手→クリスジョンソン投手→九里亜蓮投手→ハッチ投手（今ここ）

このように雨男Tシャツは受け継がれていき、九里投手からハッチ投手に渡り、晴れて元雨男となったわけです。

 

そして「猫舌」

実は九里投手、結構な猫舌でラーメン食べるのに40分ぐらいかかっていたらしいのですが、奥様とラーメンに行くと待たせてしまうので、最近は、「奥さんとラーメン食べに行って、奥さんは熱いの食べて僕はつけめん食べました。つけめんにしたら量も増やせるし」とのことでした。

猫舌は克服できてはおりませんが、投球同様、うまく猫舌を攻略されたみたいです。

 

最後は「鉄腕ピッチャー」

これは皆さんご存知ですよね。

実際に試合で投げようと思ったら何球くらいまで行ける？との質問に「150はいけるんじゃないですか？」と、何とも頼もしいピッチャーです。

今シーズン完封したライオンズ戦、8回を投げ終えた時点で124球。

ベンチに帰ってきたときに新井監督から「どうする？行きたいか？と」言われて、もちろん「行かせてください」と言った九里投手。

この時、監督にもう1点とられたら代わるぞ！と言われており、逆に自分の中で勝負していって、とられたら変わるので、絶対ゼロで抑えたろうという気持ちだけで投げていたそうです。

結果、9回は6球で終わり、見事完封達成しました。

 

そんな九里投手今シーズンの目標として「イニングとか防御率というよりも去年の完封試合が3回なので、5回を目指して頑張りたいと思います」と言ってくれました。

後半戦の九里投手の活躍に期待してます！

 

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