人生で初めて「あのプレー」を見せてくれた「もう一人の赤忍者」|カープ道リレーコラム第66回

ライター/ボールボーイ佐竹(カープ芸人)

 

「うわー!人生で初めてプロ野球の試合で生で見たー!!」

真っ赤に染まった大興奮のマツダスタジアムの中で、そのプレーの目撃者の一人となった僕は、そう叫んでいました。

皆さんも記憶に新しい、マツダスタジアムで行われた9月1日の対ヤクルト戦。

2点リードの六回裏でした。

2死二、三塁でバッターボックスには、前日に今シーズン自身1号となるホームランを放って、守備だけでなく打撃の方でも目立ってきた矢野選手。

なんと、前日に放ったそのホームランは735日ぶりとなる一発という事で、矢野選手はホームインする瞬間に、喜びを爆発させ、「しゃー!!」と叫びました!

それは今年のキャッチフレーズでもあります!

新井監督をはじめ、選手の皆さんがめちゃくちゃ喜んでるのを見ると、たまらなく嬉しかったです。

話を戻します。

 

バッターボックスの矢野選手に対してピッチャーは身長195cmと長身のロドリゲス投手。

2ボール2ストライクと追い込まれた5球目でした。

152kmを捉えた打球はセンター後方へ。

前進守備を敷いていたセンターの増田選手が、懸命にグラブを伸ばしてダイビングキャッチを試みたんですが、ボールはグラブに当たって転々とし、フェンスまで到達したのです。

それを見るなり、矢野選手は快足を飛ばして一気に三塁を蹴って本塁にヘッドスライディング!

物心ついた時からカープの試合を見てきた僕にとって、人生初となる貴重な「ランニングホームラン」を生で見せて頂きました。

 

 

14.90秒

何が凄かったって、打った事はもちろんですが、その打球を目で追っている間に、気づいたら矢野選手は三塁を回っていたんです。

僕の体感ではまだ三塁まで行って無かったのに、ベースランニングの速さに驚きました。

SNS上でカープファンの方がタイムを測っていらしゃって、見たら、14.90秒でした。

ヤバすぎますね。

 

あと何が良かったって、新井監督が大爆笑していた事ですね。

異次元の守備が完成されるまで、皆さんがイメージする矢野選手は、異次元の守備!赤忍者!残念そこには矢野がいる!

など守備についてのイメージが多いと思います。

実際僕もそうです。そこで守備について矢野選手に聞いて見ました。

何と矢野選手はまず、打者が打席に立った時に考えるのは、この打者は「引っ張りなのか、流してくるのか?」それをデータで事前に把握して、そこで3、4種類の打球のイメージをするらしいんです。

そして、バッテリーがサイン交換をし終わった時に、80%ぐらいこっちに飛んでくるだろうと判断して、バッターのスイングを見て、動き出すそうです。

 

皆さん、信じられますか?

野球経験がある方なら、この凄さ分かっていただけますよね?

僕も高校までではありますが、硬式野球をやっておりました。

その時は打球が飛んできて初めて動き出す。これが当たり前でした。

一緒にするわけではないですが、プロの守備、しかもトップクラスになると、ここまで凄いんですね。

事前にデータなどしっかり頭に入れ、準備して、一球一球、イメージして神経を尖らせて、そして生まれ持った瞬発力、それが全て合わさって、あのスーパープレーが生まれているんだと思うと、なんて贅沢なプレーを目の前で見れているんだろうと改めて感動します。

 

師匠からのメッセージ

最後に、偉大な先輩であり、師匠でもある、菊池選手からのメッセージで

「基本的に全てを伝えてるからあえて言うことはない」

めちゃくちゃ素敵なメッセージじゃないですか?

こんな師弟関係素晴らしいと思います。

「ただ1個、言うとすればもっと先輩をいじっていい!特に會澤さん!」

との事でした。さすが師匠!!笑

それも含めてこれからの矢野選手の活躍に期待しております。

 

 

CarpCarpCarp広島ホームテレビで毎週水曜深夜に放送されている「カープ道」。カープを知らない、興味ない、乗っかりたい人必見のカープ学習番組です。CarpCarpCarpでは、毎週木曜日に番組出演者によるリレーコラムを掲載中です。

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