左のエースは天然キャラ!?進化する床田寛樹投手の魅力を届ける【カープ道】

左のエースへ進化を続ける床田寛樹投手。広島ホームテレビ『カープ道』では、8年目のシーズン、先発陣を支える床田投手の歩んだプロ人生とその魅力をたっぷり紹介する。ゲストは、床田投手と5年間現役生活を共にした元カープの投手で、現在はレモン農家の戸田隆矢さんと、カープファン芸人のユマさん。

 

 

今シーズン(※データは収録日9月19日現在)は、チームトップの勝ち星11勝をあげ、防御率も2.08。抜群の安定感を誇っている。床田投手を“床ちゃん”と呼ぶ仲の戸田さんは、「床ちゃんは良い意味でプライド高く、どんな選手にも負けたくないという気持ちが強いので、それが数字に表れて結果が出ているのではないか」と考える。ユマさんは、「クオリティ・スタート(=先発投手が6イニング以上を投げ、自責点3以内に抑えた時に記録される)は今の時点で23試合中、21試合」と、床田投手の安定感を数字で説明する。

 

 

床田投手の投球スタイルは、「打たしてアウトをとる投球。持ち球である変化球の精度が高い」と戸田さん。球種はストレート、ツーシーム、チェンジアップ、パームボール。今や代名詞のように言われるパームボールは、「手のひらで押し出すように投げ、少しだけ回転し、揺れながら落差のある球。普通の投手では操ることができず、ストライクが入らない。床ちゃんは、天然キャラなので(笑)、何も考えず投げられるし、めちゃめちゃ器用だし」と、床田投手だからこそ、投げることができる球だと話す。

 

 

続いて、苦難を乗り越えてきた床田投手のプロ人生を振り返る。大阪府箕面市にある箕面学園高から中部学院大学へ。2016年のドラフト3位でカープに入団した。戸田さんは、「チームスタッフから“戸田に似てる選手が入ってきたよ。投球術も似てる”と言われたのを覚えている」。また、「実はファンの方に床ちゃんと間違われたことがある。“床田さんサイン下さい”と言われたので、“違う”とも言いにくく、自分のサインで床ちゃんの背番号を書いた。床ちゃんは知らないので、この番組を見て知ると思う」と、打ち明ける。

 

 

1年目から開幕ローテーション入りを果たした床田投手。2017年4月19日、本拠地マツダスタジアムデビューを果たしたが、左肘に違和感があり降板。登録抹消となり、トミー・ジョン手術を受ける。戸田さんは「自分もトミー・ジョン手術の経験があるが、リハビリ期間が長い。外出もできないので、床ちゃんは大野寮でハムスターを飼って癒されていた。するとそれにならって寮にいる選手5人くらいがハムスターを飼い始めた」と振り返る。「するとアドゥワ誠投手が(寮で禁止の)ワンちゃん飼おうかなと言い出した。“かわいいトイプードル見つけた”と言うので、さすがに“やめとけ”と止めた」と言う。

 

 

2019年4月6日、本拠地に戻ってきた床田投手は、6回2失点の好投で724日ぶりの勝利を飾る。2022年には走塁中に転倒し、右足関節を骨折。しかし翌年の2023年に復活を遂げ、キャリアハイでチームトップの11勝をあげた。防御率2.19はリーグ3位。

床田投手の印象に残るナイスプレーを聞くと、戸田さんは「日本人左腕初のマツダスタジアム通算20勝をあげたこと。達成したのはK・ジョンソン投手や、前田健太投手。そこに並んだのはすごく嬉しい」と話すが、「自分の“初”は覚えてもいないし、興味もない」とも。「初勝利のボールをインタビューで“母親に渡す”と言ったのだが、ロッカールームに戻ってポンと投げたら、リュックの中にボールが2〜3個あって、どれかわからなくなった。約束をしてしまったから仕方なく、それっぽいボールを選んで渡した。このことも母親は、この番組を見て初めて知るだろう」と、再び打ち明ける。

 

 

今後の床田投手に期待することは、「HRを打つ。それは本人も希望されているので、夢を叶えて欲しい」とエマさんは話す。戸田さんは「後輩を引っ張る立場。左投手をリードする真のエースへ」と、エールをおくった。

 

広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 9月25日放送
ライター 湯谷葉子

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