広島ホームテレビ『カープ道』は、10月24日（木）に行われた「2024年プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」をリアルタイムで追いながら収録。野球通の面々が事前予想した答え合わせをし、選手たちの独自情報を語り尽くす。ゲストは、全国のアマチュア界を網羅する専門誌『野球太郎』の編集長・持木秀仁さん、高校野球ウォッチャー・広島国際大学野球部副部長の平田耕造さん、ライター・編集者の森田和樹さん、高校野球好き芸人の漢咲（おとこざき）コータローさん。

 

 

前回の放送で、持木さんが1位指名予想をしたのは渡部聖弥選手（広陵高〜大阪商大）。平田さん、森田さん、漢咲さんの3人は、宗山塁選手（明治大）の名前をあげた。その番組の収録直後に、カープから宗山選手の1位指名が公表されたのだった。そしてドラフト会議当日は、カープをはじめ5球団が競合の末、交渉権を獲得したのは楽天。この時点で3人の1位予想はハズレとなった。

 

 

ここで漢咲さんが、新たに外れ1位指名に佐々木奏（青山学院大学・以下青学）選手を予想。すると、見事にカープがドラフト1位指名し、交渉権を獲得した。『野球太郎』の記事によると、「佐々木選手はここ一番に強い魅惑の和製大砲。両腕がゴムのように伸び、弾力性のあるフォロースルーで豪快な一発を放つ」と紹介する。漢咲さんは、「佐々木選手は県岐阜商では名将・鍛治舎巧監督が指導した秘蔵っ子。僕は“岐阜の大侍”と呼んでいたが、大学に進学したのであらためて“令和の森蘭丸”と言っていた」と話し、森田さんは「飛ばす力があるので、一番チームが今必要としている選手」。持木さんは「持ち味は当たった時の飛距離。印象的な場面でHRを打ち華がある」と絶賛する。

 

 

佐々木選手のパーソナルな面について、漢咲さんは「シャイな男だと思う。高校最後の打席でHRを打っているが、ガッツポーズしなかった。甲子園がなく無観客の試合。喜びと“甲子園があったら”という悔しさからか・・・。その時の表情が忘れられなく今まで追っかけている」。平田さんは「一日1000スイングする努力家」。持木さんは、『野球太郎』の取材で、青学野球には佐々木選手もメンバーの「サウナ部」があり、休日には「多摩境天然温泉 森乃彩」（東京都町田市）に足繁く通い、熱波が体験できる爆風サウナでととのえていることを知ったという。

 

 

さらに、青学野球部のグラウンドがある神奈川県相模原市に注目し、駅前にあるチーム御用達の洋食レストラン『上海ジミー』（相模原市）を取材。当店は70年以上続く老舗。一年の時から通う佐々木選手を、田原航太さんと父・洋介さん、母・裕子さんと家族で応援する。佐々木選手はお気に入りの“グリルチキン”をてんこ盛りの大ライスと食すという。田原（航）さんは「ベラベラしゃべるタイプではなく、ザ・スポーツマンみたいな好青年でしっかりしている。ドラフト1位指名はめちゃくちゃ嬉しい。活躍を祈っている」と、エールをおくる。

 

 

カープドラフト2位指名は佐藤柳之介投手（富士大学）。漢咲さんは「癖のある出どころの見にくいタイプ。ロッテの成瀬善久投手と似たフォームで僕は“赤（富士大学のユニフォームが赤）成瀬”と呼んでいる」。持木さんは「左投手なので先発、中継ぎ両方にらんだ形でチームの弱点を補うところに配置可能」と話す。

 

 

3位の岡本駿選手（甲南大学）は、将来性豊かな大型右腕。森田さんは「甲南大初のプロ野球指名選手になり得る。無名から一気に評価を上げた。高校までショートを守り、大学から投手へ。まだ伸びしろがありそうな投手」と言う。4位の渡邉悠斗選手（富士大学）は、カープ打撃陣に必要なポテンシャルを持つ選手。平田さんは「長打力があり、カープが欲しかった大砲」。持木さんは「ここまで大学生が続き、2025年を意識していると思える。9月の失速を補ってくれそうな選手を獲得したのかな」と推察する。

 

 

 

そして5位には、森田さんが「素材を活かしたドラフト候補」として名前をあげていた菊地ハルン投手（千葉学芸高校）を指名。「身長2メートルで体重103キロ。角度あるボールを投げる完全素材型投手」と森田さん。平田さんは「ピッチャーとキャッチャーの距離は18メートルほどあるが、おそらく5メートル前で投げられているような感覚では？　体が出来上がってくると当てることができなくなるのでは」と期待する。持木さんは「私の住んでいる市内の選手。少年野球の頃から大きくて有名だった。みんなハルンと呼んでいる」と、人気者であることを披露した。

 

 

今年は即戦力が期待される大学生を中心に指名したカープ。来季について、森田さんは「新戦力に期待したいが、そこに刺激を受けて良い争いができて、今年の悔しさをバネに良い成績になってくれたらいい」。平田さんは「バランス良く戦力補強できたと思う。未知の選手への楽しみもある」。漢咲さんは「佐々木選手が、高校最後の打席でも、大学のリーグ優勝でもHRを打っている。来年カープがリーグ優勝する試合で、どでかいHRを打って、ド派手なガッツポーズをしてほしい」と熱望する。

 

 

広島ホームテレビ『カープ道』（水曜深夜） 11月6日放送
ライター　湯谷葉子