広島のテレビ業界に激震!?アノ他局の実況アナと今季のカープを振り返る!【カープ道】
広島ホームテレビ『カープ道』は、他局のスポーツ実況アナがまさかの参戦。今季のカープを実況者目線で振り返る。放送局の垣根を越えてスタジオにやってきたのは、カープ実況歴25年のRCC・坂上俊次アナ。入社21年目の自局・榮真樹アナとともに、カープを語り尽くす。
カープ戦実況試合数は通算600試合を超えるという坂上アナ。現在は、RCCラジオ『それ聴け!Veryカープ!』(毎週月曜17時46分)を担当。また、『カープ魂 33の人生訓』『優勝請負人―スポーツアナウンサーが伝えたい9つの覚悟』『惚れる力―カープ一筋50年。苑田スカウトの仕事術』等、10冊の著書がある文筆家でもある。坂上アナは「最新刊は、12月6日発売の『広島ではたらきたくなる本』。広島にある11の企業のトップを取材している」とPR。その著書がカープとどう関係があるのかを聞かれると、「カープの取材を通して、苦しいことを喜びに変えてこうやって人間は成長するんだ・・・と“人とは”を学び、その学んだ道を、社会・経営者・地方創生に置き換えていく」と、選挙演説さながらに力説した。
ラジオとテレビの実況の違いは、「ラジオは目の前の現象面をしゃべる。テレビはその背景や内面、ドラマを語っていくので、事前調査がより重要。ラジオは一回染みつくと反復できる」と話す坂上アナ。「ラジオは間を作ってはいけないので、捲し立てるようにずっと喋ってないといけないのでは?」と言う榮アナに、坂上アナは「テレビ実況の方が、終わった時にしんどい。ラジオはディテールを探るのが面白く、むしろ元気になって帰ることもある」と答えた。
新井貴浩監督率いるカープの2年目はBクラス。坂上アナは、「順位表を見ても何も思わない。カープとは生活であり、人生そのもの、1位でも4位でも関係ない。100年単位で物事を見て、その壮大なドラマの一部分を見ているだけ。新井監督は勝ち続けるカープを作ろうと土台を固めている途上。良いプロセスを見せていただいている。一瞬、ハワイの優勝旅行は頭をよぎったが・・・」と苦笑する。話は、優勝時のビールかけ取材にも及び、榮アナは「ビールかけは、自分の取材などの蓄積が評価される。誰が聞いても選手は答えてくれるが、選手から来てくれるかどうかで関係性がわかる。それが1年間の評価」と言い、坂上アナも「系列の先輩から“ビールかけとは球団との向き合い方の通知表である”と言われた」と明かした。
今年のカープを漢字一文字で表すと、榮アナは「悔。優勝が見えていただけに、9月の失速は悔しい」。坂上アナは「道。泥くさい野球をし、強い体、精神力を培い、5年後、10年後、50年後、笑顔でずっといてもらうための道半ば」と話す。また、「G7広島サミット2023が開催され平和への道が開かれたように、カープは次の道へ踏み出そうとしている。最終戦で出てきた若手にもチャンスがあるし、ベテランにもチャンスがあるし、同じスタート。来年の開幕オーダーは、3〜5年後のカープの形、未来予想図になってくのではないか」と見通す。
今季Bクラスに終わったとはいえ、振り返ればカープにはさまざまな記録や名シーンが生まれた。自身が実況した中で印象深い試合を選び、榮アナは<6月27日のヤクルト戦。坂倉将吾選手のサヨナラタイムリーヒット>を。坂上アナは<6月7日のロッテ戦。大瀬良大地投手ノーヒットノーラン達成>の名場面の名実況を完全再現してみせた。
来季のカープについて、榮アナは「優勝を目指すのか、若手をしっかり起用した未来の見えるチームを作っていくのか。それを春のキャンプ、オープン戦で見ていけたら」と話す。坂上アナは、最終戦でプロ初ヒットを放ち結果を出した2年目の内田湘大選手を例にあげ、「最終戦は来年の壮大なイントロダクション。未来の可能性しかない。これを見ればカープの浮上は見えてくる」と力を込める。最後に、今後の出演を問われた坂上アナは「喜んで!居心地が良いし、榮アナと話が合う」と次回出演を快諾して、番組を〆た。
広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 11月20日放送
ライター 湯谷葉子