松山竜平が覚悟を語る「この一年やって駄目だったら終わり」。竜平会で持丸と田村もキャンプに向けて身体を仕上げる
ひとり車に乗り込み広島を出発した。
時刻は23時。目指すは鹿児島県だ。
松山竜平選手が毎年、地元鹿児島で行っている自主トレ「竜平会」に今年もお邪魔させてもらえることになった。
今年カープから参加したメンバーは、持丸泰輝選手と田村俊介選手。2人とも昨年に続いての参加となる。
途中休憩を挟みつつ、目的地に到着したのは翌日の11時。次は絶対に新幹線で来ようと誓った。まさか12時間車の中にいたなんて。そして帰りのことはまだ絶対に考えないでおこうと思った。

◼️今季ブレイクへ
何かキッカケを掴みたいと自主トレ参加を志願して集まってきた持丸と田村の存在は、ベテラン松山にとっても良い刺激になっているという。
松山「2人を見ていても昨年の自主トレよりもバットを多く振り込んでいるし、ボールに対しての入り方やアジャストの仕方がすごく良くなっているので、成長も感じるし、今年はすごく期待できると思う。そしてそんな2人からいい刺激をもらえるし、もちろん負けてられない」。
変化の点を挙げると松山はこのオフ、100キロを超えていた体重から8キロ減量し、90キロ台に。体のキレを取り戻すために動ける軽さを求めたそうだ。
会った瞬間に気がつくレベルで痩せていたので、その姿を見てとても驚いた。
身体の状態は例年よりも良く、ウエイトからかなり追い込んでトレーニングをこなしていた。

今シーズンがプロ4年目、この竜平会には3年連続での参加となった田村俊介は昨シーズンの悔しさが頭にずっと残っているという。
田村「鹿児島自主トレに入ったときは、昨年よりもちょっと違った気持ちというか、自分の中で“覚悟”を持ってスタートしました。昨シーズンはなかなか思うような結果を出せなかったので、同じことの繰り返しにならないようにというのは自分の中で常に思いながら、これからの試合をイメージして練習に取り組んでいます」。
秋のキャンプでやってきたことや、そこでコーチと話しながらやってきたことはそのまま続けて、その中で気になったところがあればお互いに声を掛け合う。
そして、今年はウエイトへの取り組み方も変えた。下半身の日、上半身の日と分けてしっかりと重点的に鍛えているという。その上で体重を含めて自分の身体をちゃんと理解して、キレやスピード、パワーを一番良い状態にして2月のキャンプインを迎えようとしている。
田村「めちゃくちゃ良い感じにできているなって感じています。早く春季キャンプに入って、ほんとに早く試合がしたいです。進化を見せられるように頑張ります」。

2年連続参加となった持丸泰輝。この自主トレで頑張って誰よりも良い仕上がりを見せたいと話す。
持丸「去年から松山さんにお願いして参加したこの自主トレで“得たものの継続”という部分と、今回の自主トレで取り組んでいる下半身の使い方やバットの軌道的なところで感じた“新しい感覚”も大事にしながら過ごしています」。
そして持丸はバッティングだけでなく、捕手としての練習もしっかりと時間を作り、取り組んでいかないといけないと感じている。

「今年は一軍でキャッチャーとしてしっかりプレーできるようになりたいです。守備で色々迷惑をかけてしまっている分、まずは周りの信頼を勝ち取れるように頑張ります」。
春のキャンプで一軍に呼ばれるように、しっかりとこの期間で誰よりも良い仕上がりをアピールするための準備をしている。
そして理想は打てるキャッチャーへ、今季こそ一軍でのプロ初ヒットを決める。

松山「とにかくもうやるしかないから、本当に覚悟を決めてやるだけ。この一年勝負して駄目だったら終わり、そのぐらいの覚悟を持って臨んでいる」。

「とにかく去年1年間が本当に悔しい、情けないシーズンだったので、今シーズンは一軍でずっと活躍できるように、そしてチームとしては優勝、日本一を獲れるように。その中でも僕がチームを引っ張っていけるようにやっていかないといけないと思っています」。
最後に。今回の取材は次の日に広島で昼前から仕事のため、夜中のうちに再び車で帰広しないといけない弾丸スケジュールだったが、鹿児島を離れる前に、みんなで夜ご飯を食べに行くことができた。
「鹿児島はとにかくご飯がめちゃくちゃ美味しいです!」。
「やっぱりトンカツが有名ですが、何を食べても美味しいですよ!」。
持丸や田村から度々聞いて楽しみにしていた鹿児島メシ。やっぱりその土地の美味しいグルメをいただくのは幸せだ。
お店に向かう道中、松山さんも「俺一回も行ったことがなくて楽しみなんだよね〜」。とワクワクしていた。

松山さん人生で初めてのココス。
濃厚ビーフシチューの包み焼きハンバーグの美味しさに感動していた。
松山さん、自主トレありがとうございました。
そして無事に広島に帰って来れました。
ライター・ゴッホ向井