あのカープ選手が初来店!誰もが感動するその理由とは?|カープ道リレーコラム第78回
ライター/中島尚樹

1月某日 夜9時。
美味しい二郎系ラーメンを平げた私は、この美味しいラーメンを作ってくれた店主に目をやった。
この人こそ誰あろう 汁なし担々麺専門店「楽」小網町店のオーナーにして、過去 カープ道に一度だけ出演した「リアル呼ばれないカープ芸人」のあらきあきゆきさんだ。

なぜ、私がここに来たのか?もちろん、美味しい食事でお腹を満たす目的もあったが、それ以上にあらき兄さんのカープに関する知識が必要だったから。
まずはお腹を満たし、次は締切前日になっても空っぽのコラムをあらき兄さんの持ちネタで満たすことにした。
中島尚樹(以下 中)「あらき兄さん。実は僕、コラムをやっていて…」
あらきあきゆき(以下 あ)「え?そうなんですか?」

カープに関して膨大な知識を持っているはずのあらき兄さんだが、我らがカープリレーコラムの存在は知らないと言う。まだまだ我々も頑張らなきゃだ。
中「今回もう本当に何を書いていいか分かんないから、仕入れたネタでもいいんで、こんなエピソードありますよ〜とか教えてください」
あ「え〜!それは…ちょっと…」
夜9時を過ぎ、店内には我々以外、誰もいない。
私はスマホを取り出し、ボイスメモアプリのRECボタンを押した。
最初は渋っていたあらき兄さんだったが、「その方が名前出しNGなら伏せ字にする」と言う条件で、とんでもないエピソードを語ってくれた。
そこには某選手の信じ難い(しかし、その方を知っているからこそ理解できる)仕事への向き合い方を感じる物語があった。
今回は、その時の臨場感もお伝えすべく会話形式でお届けする。
一部、読みにくい箇所があるかもしれないが、必要であれば、注釈も入れて行きたい。
中「いやいやもう本当にお願いします。なんでもいいんで。」
あ「えっとねー。今日のお昼…」
中「今日!?」
あ「今日のお昼、秋山(翔吾)選手が来てびっくりしました。」
中「えぇぇぇぇ!?」
いきなりである。
いきなりのビックネーム。そして、図らずも初来店がネタ収集にお邪魔した今日のお昼だとは…
あ「お昼バタバタやったんですよ。ほんでいらっしゃいませって言ったら(秋山さんが居て)わっ!って」
中「えぇーすごい!」
あ「ほんで後ろ見たら、あれ?後輩とか奥さんとか居そうじゃないですか?」
中「はい)
あ「でも誰もいないんですよ。ほんでパーって来られて、うわ!どこ座るのかなぁと思って。で、気付いてる人も中におられるから」
中「お店の中がざわついて?」
あ「ぱ〜っと一番奥のここの席(入り口向かって右隅の角席)に」
中「そこに座って!」
あ「ほんで、じゃあすいません。お伺いしますっていう(食券をもらう)時に、僕、名刺があるんで」
中「あらきさんの名刺が」
あ「すいません。吉本で芸人やりながらお店をやらせていただいてます。って名刺だけ渡させて頂いんです」
中「え〜〜〜っ」
あ「ほんで…まぁ(注文されたのは)担々麺やったんですけど」
中「え?辛さは?」
あ「一辛です。で、温泉卵トッピングでしたね」
中「貴重な情報だ」
あ「ほんで帰られて。で、本当やったら誰かからご紹介いただいたんですかね?とか話しするんですけど、もうお昼…普通、選手って 時間ずらすんですけど、お昼のド真ん中で来られたんですよ」
中「そんなことある!?」
あ「僕まったく秋山選手、面識ないんで…それで、うわぁ誰かに紹介していただいたんかなぁと聞きたかったんですけど…」
中「写真とかは頼まなかったんですね?写真とかサイン。だってサインたくさんあるじゃないですか?」

あ「僕、写真とかねぇ。本当に頼まないんですよ。サインも、(他の)誰かが居てると、僕あんまり言わないっていうか…」
中「周りのお客さんが、私も私も!ってなっちゃうから?」
あ「そうそう。極力言わないから書いていただいてない選手もいてるんですけど」
中「なるほどね〜」
あ「しかも忙しい時間帯の時は絶対言わないんですよ。」
中「そうか、どころじゃないですもんね。お客さんにちゃんと提供していかないと」
あ「それは、こそっと来ていただいているのに、僕がバラしてしまっても」
中「気付かれたくない選手も多いでしょうからね」
あ「ほんで秋山選手、帰られて、また戻ってきたんですよ」
中「えええええ!?」
あ「何か忘れ物したのかな?って思って、ごめんなさい。僕ちょっとちゃんと見てなかったです。片付けの時、気づいてなかったです。って謝って、パって見たら…僕の名刺、忘れてたんですよ。それを取りに帰ったんです」
中「きっちりされた方!すごいキチンとしてますね!」
あ「何を取りに帰ってこられたのかな?と思うたら、僕の名刺ですよ。うわー!ってなって…」
中「名刺なんて渡すからですよ(笑)」
あ「すんません(笑)」
中「いや、最強のエピソードじゃないですか!今日ですよ!今日!すごいわー!」
あ「で、今度、佐竹くんと仕事があって、多分、佐竹くん、秋山選手と接点があると思うんで…」
中「ちょっと俺、今 聞いてみましょうか?」
あ「え!?マジっすか!?」
唯一LINEを知っているカープ現役選手が秋山選手だったので、お名前を出して良いか確認する意味でもLINEを送ることにした。
文字入力をしながらも話を続ける。
中「でもやっぱり、カープ選手もだけど、みんなにウォッチされているお店なんですね?」
あ「いやいや。誰かに言っていただいたとかねぇ、だってそんなねぇ。(秋山選手が)自分で調べてとかでないと思うんで、誰かがまあ言っていただいたんですよ。その(紹介してくれた)方にもお礼が言いたくて…」
中「いや〜今日のお昼…(タイムリー過ぎてこればかり連呼してしまう)」
あ「親しい選手とかはね。LINEがあって。(入店前に)まずは(LINE)電話が来て、今どうですか?とかね。そんな感じなんですよ」
入力にまだ時間が掛かっている。
あ「因みにこのコラムは選手の裏話とか?」
中「いやいや、というか…なんでも。この前は義理の父がカープ観戦をしているその気持ちの揺れ動きみたいなの記事にしました」
あ「あ、その(中島さんの)お父様の!?」
中「そうそう。俺だけがもう本当に(リレーコラムの内容)ペラペラなんっすよ。ペラッペラで」
あ「でも、それで続いてるんなら…」
中「ですね。しかも、秋山さんが今日ここに…って、すごい流れですよ!」
入力が済んで送信ボタンを押す。
中「今ちょっと聞いてます。」
あ「はい!ありがとうございます!」
中「これ裏取れたら凄すぎるッスね!」
あ「ですね!」
中「ただ、夜遅いんでミュート(機能)で送ってるんで。既読付かんので、もしかしたら気付かんのかもしれないです」
あ「そうですか…」
その時だった。
中「あ!既読付いた!」
あ「えええぇ!?」
そして、数分後。秋山選手から返事が届く。
その内容に、感動したあらき兄さんもこの顔である。

その衝撃の返信内容は数ヶ月後の後編でご紹介したい。
(つづく)
広島ホームテレビで毎週水曜深夜に放送されている「カープ道」。カープを知らない、興味ない、乗っかりたい人必見のカープ学習番組です。CarpCarpCarpでは、毎週木曜日に番組出演者によるリレーコラムを掲載中です。