次期エース候補遠藤淳志 チームを救ったプロ初完封の裏側
「二桁勝利ができて、チームを背負えるような投手になっていきたい」と語るのは、4月8日に24歳の誕生日を迎えた遠藤淳志投手。広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、カープ入団6年目の若き右腕、遠藤投手をフカボリ。キャンプ、オープン戦から好投を続けるその好調の要因に迫る。
※データはすべて4月15日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略
10年ぶりの開幕4連敗。そんな重苦しいチームを救ったのが、入団6年目の遠藤。雨が降り続ける4月6日の阪神戦でスコアボードにゼロを並べ、6回0/3 を無失点。降雨コールドでカープは今季初勝利。遠藤はプロ初完投で今季初白星を挙げた。
「良く粘れたなと思う」と、その試合を振り返る遠藤。雨でグラウンドのコンディションが非常に悪い中、コントロールの良い遠藤が5イニング中5つの四球を出し、毎回ランナーを背負ったが無失点を続けた。「前までは無駄な四球でランナーを出して、そこで打たれてしまっていたが、一人一人、次のバッターと気持ちを切り替える事ができたので、目の前のバッターに集中して投げる事ができたことが後1本を出させなかったのかなと思う」と言う。
中でも山場だったと語るのは、近本光司を先頭で出した5回。2アウトでむかえた大山悠輔を1球、2球とストレートで押し、センターフライに打ち取った。「ストレートでファールだったり、空振りを取れている。その中で変化球が生きているのかと思う」と話し、キャンプ、オープン戦と好調を維持し続けてきたのは、ストレートに自信が持てているからだとも語った。
入団当時から定評のあった遠藤のストレート。そのストレートの使い方の選択肢を増やしたのが、新井貴浩監督からのアドバイス。「“お前の高めにきたストレートは吹いてくるように感じて、バッターは嫌がる。全部がダメって言うじゃなくて、結果吹いてファールになってそれでOKくらいの気持ちで、どんどん高めでも良いから強いストレートを投げなさい”と言われた」と明かす。高めはダメだと考えがちだったが、アウトが取れるなら、それはそれでOKだと思い、投球が楽になったとも言う。
入団6年目で次期エース候補の一人である遠藤。過去5年間での一軍登板は75試合。現在24歳という若さながら、すでに重ねた多くの経験から自信ものぞいている。それはピンチを招いたときの表情にも現れる。2年前は、焦りを感じている事が画面を通しても見ることができるが、今年のピンチの時の表情は、何食わぬ顔で、厳しい状況と向き合っているように見える。
「堂々として投げられているのは、投げ終わった後の映像を見て自分でもわかる。自信を持って腕を振ることが先発ピッチャーとしての一番大事なポイントになるんじゃないか思うので、全力で腕を振る事は忘れずに、これからも投げていきたいなと思う」と、力を込めた。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 4月15日放送
ライター 湯谷葉子