【前田智徳解説】「優勝する勢いです」新井カープが単独首位浮上‼ 王者・ヤクルトを3タテできた要因とは
「もう優勝する勢いですよ」前田智徳から開口一番この言葉が出てきた。カープは、4月14日からヤクルトとの3連戦に臨み、3連勝。開幕カードで3タテを喰らった相手に3タテでやり返す結果となった。「16日の試合は、神ってるパート2ですよ!」。こう語る前田智徳に王者・ヤクルト相手に3連勝できた要因を解説してもらった。
■驚異的なペースで安打を積み重ねる秋山翔吾
4月17日現在、打率.468.安打22本とセ・リーグの首位打者争いで首位に立つ、秋山翔吾はヤクルト3連戦でも大当たりだった。「秋山選手のことは西武時代から見てきましたけど、日本の野球の感覚が戻ってきたのかなと感じます。メジャーにいくと練習量が減るので、今年自主トレやキャンプで早目早目の仕上げをして、抜群の調整ができたんじゃないかなと思います」。
そして、15日のサヨナラホームランには、また別の要因があったという。「読みがしっかりしていました。 田口投手の初球のスライダーをレフト方向に打ちましたよね。変化球を逆方向に打つということは、そういうときじゃないとなかなか飛距離は出ませんからね。こういうところも、彼の経験値と技術が融合していると思いますね」。
今季、フルイニング出場を目標に掲げる秋山。前田はこの目標を高く評価していた。「この調子を継続していくことが大事です。彼はフルイニング出場という志の高い目標を持っていることは、継続することの大事さを分かっているということなんです。目標を高く持つことで、例えフルイニングが実現しなくても、全試合出場だったりそれに近くなったりとする。今季の秋山選手には期待せざるをえません」とエールを送った。
■「評価が難しいけど…」5番は合ってる西川龍馬
「打者西川の評価は私は難しんですよ…」。苦笑いを浮かべながらこう語った前田だったが、「5番という打順は非常に合っていると思います」。と、こちらも好調の西川を評価した。
「チャンスで打順が回って来て、ランナーを返すというのが彼には合っているんだと思います。ボールを見極めて、つなぐという打撃よりは『とにかくランナーを返すんだ』という集中力を持った打席の方が向いている。なぜなら、ストライクゾーンが広い打者ですから、どんな球でもヒットにするバットコントロールがありますから、そういった意味でも彼の打順が見事にはまっていますね」。
■「感動しました」田中広輔同点満塁HR
「きのう、解説をしていてグッとくるものがありました」。多くのカープファンが同じ感想を抱いたに違いない。3連覇中の輝きと、近年の苦しみ両方を見てきたからだ。「田中選手は今年の数字はいいとは言えないんですけど、あの場面のように重要なところでの働きが期待できるんじゃないかなと思わせる、いい出だしでしたね」。
あのホームランを詳しく前田に解説してもらった。「2球目のストレートを打ったんですけど、初球のボールの見極めですね。初球の落ちる球をしっかり見極めたんですよ。気負いがありすぎるときは、そういう球は手を出してしまうんですけど、それを見極めたことで次のストレートに集中できていたんではないかなと思います。それに、今までは力みあってバットが思うように出てこなかったんです。それが今年は、バットのヘッドが出てくるようになったんです」。
今までの田中は、その力みがあってバットのヘッドが思うように出てくれなかったのだと前田は分析した。それが改善され、ここまでの打撃につながった。「力み」が不要だということがこの年齢だからこそわかってきたのだという。「がむしゃらに、体力に身を任せてフルスイングしていたことが、苦しい経験をしたことで改善できたんだと思いますよ」。
前田曰く、「まだベテランではない田中広輔」。ショートのレギュラーを争う小園にもようやく、初ヒットが飛び出した。新井監督が2人の起用に悩むようになれば…
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CarpCarpCarp編集部