ブルペン支える矢崎拓也 同期・床田と2人でつかんだ白星
カープの中継ぎ陣を支えるプロ7年目、矢崎拓也投手。今季はけがの影響で出遅れたものの、ここまで14試合に登板し3勝5セーブ2ホールドとファンからの信頼をがっちりつかんでいる。
(データ・成績は6月2日現在)
矢崎はここまでの成績について「投手として点を与えないというのは、すごくいいことなのかなと思っています」。と話しているが、その言葉通りここまで奪われた点は1点のみだ。
そして、今季の矢崎は守護神栗林の離脱後はクローザーとして君臨。穴を埋める活躍を見せている。
「クローザーとしての登板は、もっと緊張するのかなと思ってマウンドに上がっていたんですけど、普通にマウンドに上がれていると思います。普通に投げて普通に終わって、『ああ、終わった』という感じですね」。と話すが、マウンド上では感情が表に出ることもある。
「感情は出てしまうものなので、そこを無理に抑えようと思ってマウンドにはいないですね。割と自由な感じで行きたいなと思っています」。
■2023年矢崎拓也が好調の理由
「運です」。好調の理由を探ろうと、質問を投げかけるとこう返ってきた。
「守っている野手がいないところに飛んでしまったらヒットになるので、その辺は運もすごく大きく関与しているのかなと思いますけど」。
好調の要因を運と語る矢崎だが、その運を手繰り寄せるためにしていることを聞くとー
「あまり運をつかもうとは思っていなくて、運が来たときにそれをつかめるだけの自分がいるみたいなことを大事にしている感じですかね」。という答えが返ってきた。
勝負の世界では運が結果を左右することはあるが、もちろん矢崎の好投の裏には運だけではなく、技術的な成長もある。
「(回転数など)数値的にそんなに変わっていないのかなと思いますが、1試合の真っすぐの中で数値のばらつきが出なくなっているのかなと思います」。
安定して質の高い球を投げることによって、苦しいカウントでも痛打されることなく、空振りやファールを奪えている。決め球であるフォークについても、成長を感じているという。
「どうしても打たれてしまう可能性が高いミスの仕方というか、そういうのが減ったのかなと思います。高めにボールが浮くこと自体は全然いいですけど、ボールが手から離れた瞬間フォークとわかってしまうような、山を描くような球だと相手にアジャストされることが多いので、どれだけ真っすぐの軌道に寄せられるかということが大事だと思います」。
矢崎が追い求めるのはストレートと同じ軌道で入るフォーク。たとえストライクゾーンに行ったとしても、バッターがストレートだと思って打ちにいった結果、打ち損じているのがここまでの好投につながっている。
■「2人で一緒に登板できたら良いよね」同期・床田とつかんだ白星
5月9日、長良川球場で行われた中日戦。先発の床田が7回無失点の好投。勝ち投手の権利を持った状態でマウンドを降りた試合。1点リードの9回を任されたのが矢崎だった。
「同期で同級生なのですごく仲良くやっているので、去年くらいから1回は勝っている試合で2人で一緒に登板できたらいいよねという話はしていたので、それを達成できてシンプルにうれしいなと思います」。
矢崎は見事に3人で締め、”トコヤサリレー”を勝利で飾った。
「やっと投げたなというのと、あとはどうせミスったら俺のことボコボコに言うんやろみたいな会話をしました。ミスったらテレビの前でボコボコに言ってやるわみたいな会話でした」。
同期との目標も達成した矢崎。今季の目標はー
「数字的な目標は全くなくて、与えられた場所で自分の力を全力で出して、自分をそこに捧げながら1年間やりたいなというのが1番で、あとはスポーツなので自分が楽しむのもそうですけど、来てくれている観客が楽しんでもらえるような自分も楽しい周りも楽しい、そういう姿が見せられたらなと思っています」。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 6月3日放送
CarpCarpCarp編集部