北別府さんから言われて嬉しかった言葉 「ゴッホくんがテレビに映ると画面が明るくなるよ」

北別府さんに最後のご挨拶に行ってきました。

 

正直、今日の今日までまだ北別府さんが亡くなられたという実感が湧かず。

気持ちの整理というか、まだ信じたくないというか。ふわふわした状態でした。

 

今日北別府さんが優しい表情で安らかに眠っている姿を見て、また一気に涙が溢れ出て、「ありがとうございました」という言葉しか出ませんでした。もっともっと沢山お礼を伝えたかったのに。

 

帰り際には奥様・広美さんから「これからも沢山いじってやってください」と言っていただき、また涙が止まらなくなりました。北別府さんと出会えて良かったな、ご一緒にお仕事させていただき本当に幸せだったな。。

 

 

北別府さんに出会う前

 

僕はお笑い芸人に憧れて、高校を卒業した18歳で地元広島を飛び出して東京へ。しかし、この世界に入ってからの初めてのテレビ出演は東京の番組ではなく、広島ホームテレビで放送されたカープの開幕直前特番でした。

 

全身カープのユニフォームを着て、カープのネタをフリップで。ネクストカープ芸人的な感じで紹介してもらった記憶です。

 

「今日は皆さんが今1番気になっていると思います。今と昔のカープの雑誌の違いについてご紹介させていただきます」から始まります。東京なのにがっつりカープって、かなり珍しい芸風だったと思います。

ただ有難いことにカープネタをやるようになってから東京のライブでもウケるようになってきました。

 

 

「最近のカープの雑誌の表紙は新シーズンに向けて、ユニフォーム姿の選手がビシッと表紙を飾っていますね。」

 

提供:ゴッホ向井ブルー

 

 

「では、昔のカープの雑誌はというと、、、

ゴルフをしちゃってるんですね!北別府さんが真剣にパターをしてるんです。」

 

提供:ゴッホ向井ブルー

 

 

「でもさすがに中では野球の話をしてるかなと思ってめくったら思いっきりフルスイングしてるんです。」

 

提供:ゴッホ向井ブルー

 

 

 

この他にもカープネタばかりを考えて東京のライブに出続けました。

 

 

「いやー驚きの大記録が生まれましたね!皆さんもびっくりされたと思います。あの北別府さんが大好きな家庭菜園で1キロの巨大きゅうりを育て上げたんですね」

 

提供:ゴッホ向井ブルー

 

 

「でもね!せっかくの巨大きゅうりなのに、半分に切った写真を載せたんですよね」

 

提供:ゴッホ向井ブルー

 

 

こんな風に。勝手に北別府さんのブログから写真を保存して東京でカープのことばかりを喋っていました。

 

 

北別府さんと同じレギュラー番組

 

人生で初めてのレギュラー番組だった広島ホームテレビの「5up!」という夕方の情報番組。

有難いことに北別府さんと同じ曜日のレギュラーにしていただき、毎週隣の席でお話しをさせていただきました。

 

北別府さんは、常に本音で裏表がなく、思ったことをストレートにお話しされる方で、広島の視聴者さんにとってもお馴染みで、そこを共演者のみなさんも楽しみにしていました。

一度、その日の番組内容がパン特集だったとき、スタジオに何種類かのパンが並べられ試食をする流れでMCの方から「北別府さんパンどうですか?」と聞かれた際に「わたしはパンいりません」と答えたときには思わず吹き出して笑ってしまいました。

北別府さん、ストレート過ぎますよ。

 

以前、北別府さんに聞いた食レポの流儀は、『食べて、美味しかったら、美味しいって言う』でした。まさに”来た球を打つの精神”でした。

 

 

あと北別府さんと僕は「謎解きのコーナー」が苦手でしたね。毎週一緒に答えを外し続けて、気付いたら謎解きのコーナーが別の曜日に移動しましたね。

「意味がわからん!」と言ってフリップを白紙で出した北別府さん。

「今週は謎解きないのでご安心ください」と声をかけてきたスタッフさんに「もうクイズは戻ってこなくていいからね」と伝えていたときも僕は隣で笑ってしまいました。

 

 

北別府さんと榮アナウンサー(広島ホームテレビ)と3人で一緒に沖縄ロケに行ったことは覚えていますか?

一緒に行ったディレクターの石原さんも、カメラの山崎さんも、音声の中田くんも、みんなが「沖縄のロケ楽しかったね〜、北別府さんとまた一緒にロケ行きたいね!」ってずっと話をしてたんですよ。

北別府さんが楽しそうにロケをしている姿がみんな嬉しくて、とても良い思い出なんです。

 

 

他にも北別府さんとは海のアクティビティを体験しようというロケで一緒に初めてのSUPにも挑戦しましたね。

大きめのボードに乗り、立った状態でパドルで漕いで水面を進んでいくっていう初めての体験。

 

僕が北別府さんに唯一、怒られたのがこのときの事でした。

 

中々上手いことボードの上に立てず、海に落ち続ける北別府さんを見て、

「北別府さん!何回落ちるんですか!ほら!僕も立てましたよ!北別府さん早く!早く!」ってずっといじってたら、

「おい!わしが何勝しとるか知っとるんか!!!」っていう初めて聞く怒り方をしましたね。ツッコミが面白すぎてめっちゃ笑ってしまいました。

 

このロケの帰り道、車でご自宅に到着するまでの間、北別府さんがずっと

「このロケはいつ放送されるん?絶対に永久保存版じゃね。SUPでわしが海に落ちるところは視聴率上がるじゃろ」と嬉しそうにお話ししてくれていたのがとても嬉しかったです。

 

そんな北別府さんから言われて嬉しかった言葉があります。

「ゴッホくんがテレビに映ると画面が明るくなるよ」です。

実はあれ以来、将来どんな芸人になりたい?などと聞かれた際は「「ゴッホくんがテレビに映ると画面が明るくなるよ」って色んな方から言ってもらえるような人になりたいです。」って返してるんですよ。自分の中で理想がすごくしっくりきたからです。

 

 

背番号20

 

北別府さん、もうひとつ報告があります。

ずっと夢だったマツダスタジアムの大型ビジョンで歌う「それ行けカープ」のカープファン著名人リレーに有難いことに僕も初めて今シーズンから出演させていただくことになったんです。

僕は北別府さんの背番号20のユニフォームを着て歌いました。早く元気になってくれたらなって思い勝手に着させていただきました。

天もまた胸を開く〜と旨酒をくみかわそう〜のところを歌わせていただいてます。

カープが日本一になったら祝杯をあげたいですね。

 

 

北別府さん、今日は僕から一方的にずっと話をしてしまいすみません。せっかくの楽しかった思い出ばかりなのに、今思い出すとまた涙がでてきてしまいます。

 

今日は「ありがとうございました」って、簡単なお礼しかお伝えできませんでしたが、

天国にいる北別府さんに「仕事が無くなりました」なんて報告できないので、もっともっと頑張りますね。

北別府さん、どうか安らかにおやすみください。そして、いい報告を待っててくださいね。

提供:ゴッホ向井ブルー

取材・ライター/ゴッホ向井ブルー

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