内田湘大の2年目。鈴木誠也や堂林翔太からのサポート。そして誰よりも長くバットを振り続ける毎日

「明けましておめでとう御座います!本年も一生懸命頑張りますので宜しくお願い申し上げます。今年は必ず一軍いきます」。

今年の1月1日にわざわざ新年の挨拶を送ってくれた主は、急に坊主頭にしたり、パンチパーマにしたりと(正しくはニグロパーマで先輩・矢野雅哉選手と同じお店で注文)、変化の多い日々を送っているプロ2年目の内田湘大だ。

 

 

2022年ドラフト2位指名でカープに入団し、1年目からウエスタン・リーグでチーム2位タイとなる87試合に出場。しかし打率は.163と納得がいく結果ではなかった。

ルーキーの内田に対し、新井貴浩監督は「焦るな」そして「三振してもいいから思いっきり振りなさい」と声をかけた。

そう“これからの未来”が非常に楽しみなスラッガー候補のひとりである。

 

■ 師匠鈴木誠也からもらった金言

「ルーキーイヤーは内容の濃い1年でしたが、苦しいことの方が多かったです。ただ、この経験は今しかできないのでこれを活かせるようにと踏ん張ってきました」。

1年目が終わり、初めてのオフシーズンは憧れだったカブス鈴木誠也選手との合同自主トレに参加させてもらった。

「堂林さんに相談して繋げてもらいました。誠也さんや堂林さん、末包さんたちと一緒に過ごすことで、私生活から野球への意識の高さを直近で感じることができました」。

沖縄で行われたこの自主トレ期間中は、みんなが常に“どうやったら野球が上手くなるか”ということだけを考えながら過ごしていた。

 

一緒に練習をしたり、食事に連れて行ってもらう中で、鈴木誠也からは色んな言葉をかけてもらった。

「自分を信じてやってみろ」
「今できることを最大限にやりなさい」
「自分で考えなさい」

シーズンが始まった今も、これらのアドバイスを思い出し、できるだけ自分で考えるようにやっているという。

プロ2年目は少しだけだが心の余裕ができた。自分がやりたいことや、自主トレからやってきたことを“上手くなるために”必死に続けている。

 

■ 死ぬ気で頑張ります

内田の一日の始まりは早い。朝4時半に起きて準備をし、5時半にはバットを握っている。

6時半過ぎくらいまでバッティング練習を行い、そのあとに朝食をとり試合の支度をする。

試合が終わって由宇練習場から帰ってきてからも、少し練習をしてから夕食を食べる。

そして食後にもバッティング練習をしたりと誰よりもバットを振る時間は長い。

 

 

私がこのコラムを書いている7/1時点のファームでのここまでの成績は、打率.204で本塁打は2本放っている。

「今の状態は納得できる感じではなく、苦しい時期が続いているかなと思います。結果がついてくることはもちろん理想なんですが、今はとにかくがむしゃらに練習を頑張り、死ぬ気で食らいついていく姿を見てもらいたいです」。

現状を打破するために、二軍打撃コーチの新井良太からは“試合の中でのメンタル的な部分を少しずつ変えていこう”とアドバイスをもらったそうだ。

「良太さんからは『絶対に気持ちで相手に負けない、相手にぶつかっていくような、向かっていく気持ちでやっていきな』と言ってもらいました」。

 

そして使っている野球道具にも変化があった。

「試合では堂林さんからいただいた道具を使っていて、一緒に戦っている気がするので身が引き締まります」。

堂林からバット、スパイク、バッティング手袋などをもらい使っているそうだ。

最初のキッカケは「堂林さんの型を使ってみたいです」と相談したところ、道具をプレゼントしてくれて、面倒もずっと見てくれている。

内田の一生懸命に自分自身と戦う姿を見て、周りもサポートしてあげたくなるのだろう。

 

「まだまだ一軍のレベルではないですが、絶対に一軍に上がらないといけないので、誠也さんに言ってもらった『人より何億倍も努力して』少しでも上のレベルに近づいて早く上がれるように頑張ります。そして一軍でホームランを打ちます」。

内田は目標を現実とさせるために、言い切るようにしている。日々の努力はきっと野球の神様も見てくれているだろう。大きなホームランを楽しみにしている。

 

ライター・ゴッホ向井

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