売り上げ倍増!?最強のタレント軍団・ビールの売り子さん大集結 【カープ道】

暑さ厳しい中、マツダスタジアム(以下、マツスタ)での観戦で味わう至極の一杯がビール。広島ホームテレビ『カープ道』では、観客にビールを届ける売り子さんをスタジオに招き、奥深い売り子の世界を語ってもらう。ゲストは、タレントで(広島ホームテレビ『ピタニュー』出演)現役マツスタ売り子の高田萌子さん、タレント・モデルで元マツスタ売り子の佐野ユリアさん、元マツスタ売り子で現役東京ドーム、楽天モバイルパーク宮城売り子の西井彩花さんの個性豊かな3人。

 

 

売り子遍歴を聞くと、高田さんは「大学2年からはじめて、今4年生で3シーズン目。私にとってマツスタは、通っていた夢のような場所。最初はウキウキドキドキ。“夢が叶った”と思った。売り子をしている自分に酔いながら仕事をしていた」と話す。佐野さんは「売り子をしたのは2016年に1シーズンだけ。2014年“カープ女子”という言葉が流行語になってから、本当にチケットが取れなかった。でも観に行きたくて。ちょうど社会人を辞めたタイミングで今しかないと思った。しかし1年で燃え尽きた」と言う。大学1年生の2019年から2022年のシーズンまでマツスタで売り子をしていた西井さんは、就職を機にスタンドを去ったが、売り子を愛しすぎているがゆえ、マツスタには戻らず未体験の球場でゼロから挑戦。「東京ドームは全試合出勤し、東京で試合がない日には、宮城で売り子をする」と、売り子として全力で活動する。

 

 

 

現在マツスタで登録されている売り子の数は約200人。男女問わず年令制限なし。稼働できるのは基本7回裏まで。1回の試合で約90人の売り子が出勤。最近は男性も増え、元気さと大声で売上を伸ばしているという。ビール会社はA社とK社に分かれ、サーバーの重さの違いから(A社10kg・K社7kg)、身長が高いとA社、低いとK社に振り分けられる。そして、各社の売上の上位5名のみが着ることを許されるのが<赤ユニ>と呼ばれる特別なユニフォーム。1試合で一人当たりの売上の平均は約100杯と言われる中、247杯を売り上げ、赤ユニ着用経験がある佐野さんに、高田さんと西井さんは羨望の眼差しを向けた。

 

 

他球場を知る西井さんは、「東京ドームでは特別なユニフォームはないが、売上の上位しかビールを売れない。売上が低いとレモンサワーやハイボールになる。私はずっとビールを売っている」と胸を張る。そして3人は、実際のサーバーを背負ってそれぞれの売り子テクニックを大公開。片膝だけにサポーターを着ける佐野さん。「サポーターがないとマンガみたいに膝が笑う。両膝をつく人もいるが、私はすぐに次に行けるように片膝で」と、赤ユニ着用経験者ならではの販売の極意を披露した。

 

 

心に残るマツスタでの名シーンについて、西井さんは「2022年8月6日の阪神戦で放った秋山翔吾選手のサヨナラ打。私が販売している時間はカープが負けていた。9回裏のサヨナラの瞬間はビールを売りことができない。最後の回まで売り子をさせてほしい。絶対売れたと思う」と願いを込める。高田さんが選んだのは、「2023年10月1日、一岡竜司投手の最終登板。一岡投手のファンの方と一緒に最後の直球勝負を観て、お客さんと一緒に過ごしたところが心にこ残る」と話す。佐野さんは「2016年9月8日の中日戦。7回の時点で7対4で勝っていた。25年ぶりの優勝に向けて、マジック1になろうかという中、お客さんの高揚感で自分も胸が熱くなり、心が震えたのを覚えている」と振り返り、「ビールは200杯は売れたと思う」と付け加えた。

 

 

最後の質問は<あなたにとって売り子とは?>。高田さんは「カープ観戦特等席。試合はあまり観られないが、大好きなスタジアムに一緒に行けて、大好きなカープのファンの皆さんと一緒にいる時間。売り子をやってよかったと思う」。佐野さんは「情熱と情熱と情熱のぶつかり合い。選手と情熱、観客の情熱、そして私のビールを売りたいという情熱」。西井さんは「売り子とは“人生”。今まではいろんなことを中途半端にやってきたが、一番がんばった。あきらめず今も目標を追いかけている。人生を捧げているなと思う。マツスタでは200杯を達成できず悔しかったが、宮城での東京でも200杯を超え、東京ドームでは300杯を超えているので、350〜400杯を目指している」と、力を込めた。

 

 

広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 9月4日放送
ライター 湯谷葉子

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