【今季エラー0】秋山選手が芝について語る「外野手は芝を読む楽しさがある」|カープ道リレーコラム第75回
ライター/尾関高文(ザ・ギース)
今年最後までカープを引っ張り、チームを鼓舞してくれた秋山選手。シーズン終盤の1打席1打席は鬼気迫るものを感じましたね。
カープにきて3年目のシーズンが終わりましたが、野球に取り組む姿勢や、自身への厳しさはチームでも群を抜いています。あの成績で今シーズン前も「4番目のレギュラーだと思って取り組む」と言える思考はあの高みに行けた人だからこそのものでしょう。
そんな秋山選手と先日とある番組でご一緒する機会がありました。その番組とは、プロ野球ファンなら誰もが大好き「球辞苑」。秋山選手とは初めてお会いしたのですが、その優しく明るいオーラは噂に聞いていた以上でした。
ご挨拶するなり「カープ芸人なのに全然絡んでくれないじゃないですか!」と声をかけてくれる秋山さん。なんとお優しいことか。
この日のテーマは「芝」。カープ道のテーマもユニークですが、ここまで玄人好みのテーマとは!さすが球辞苑です。外野守備といえば、芝とは密接に関わっています。秋山選手は芝に関してこのようにおっしゃっていました。
「外野手は芝を読む楽しさがある。人口芝だと球は普通にくるけど、天然芝は手元で急に変化することもある。それに合わせた腕の位置、グラブの角度を変えている」
人工芝はボールがまっすぐ転がってくることがわかるので、グラブを縦に出すだけで良いそうですが、天然芝の場合はとにかく手首を柔らかく用意して急な変化に対処するとのこと。
微妙なグラブの位置の違いなど我々からみると全くわかりませんが、打者ごとに来るボールをイメージし、その時その時で最適な捕り方、その後の送球などを考えているのです。
今年の6月もクッションボールをあえて突っ込まずに、フェンスからだいぶ手前での捕球をする姿に、天谷さんが「さすがの守備」だとおっしゃっておりました。
芝の繋ぎ目、色が変わっている部分で球の跳ね方が変わる通称「スネーク」や、雨の日のボールの芝の滑り方、湿度、気温ですら微妙に変わる球場。マツダスタジアムは特にその影響が大きいですよね。
その中で今年の秋山選手はエラー0。守備率1・000という異次元の成績をマークしています。これまでの経験からの思考と体が全て噛み合い、完璧な守備の人として君臨する秋山選手。ぜひ若手の選手はその技を盗んでほしい。「いつまでもいると思うな親と秋山」の気持ちで、来年は秋山選手が本当に焦るほどの競争が行われますように。
この収録で矢野選手も芝について語っていたのですが、どうにも天然芝は苦手のようで「天然芝とは友達になれていないですね。赤の他人です。」というコメントをしていました。すると秋山さんが「コメントに『赤』を入れ込んできて、コメントも成長しましたね」と、コメント面でも後輩の成長を見ていることに驚いたことを、最後にお伝えして、このコラムを締めたいと思います。それでは皆様良い年末を。
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2024年12月15日(日)、秋山選手をゲストに迎え、カープ道の公開収録を開催します。
時間は14時30分から、場所はイオンモール広島祇園です。ぜひお越しください。
広島ホームテレビで毎週水曜深夜に放送されている「カープ道」。カープを知らない、興味ない、乗っかりたい人必見のカープ学習番組です。CarpCarpCarpでは、毎週木曜日に番組出演者によるリレーコラムを掲載中です。