内田湘大がプロ3年目のキャンプで感じた手応え「ライバルは全員。沖縄でも暴れる。そして今季は鈴木誠也との約束を果たす」

 

 

日南春季キャンプ第2クールの最終日、報道陣の取材に応じた新井貴浩監督は「非常に充実したキャンプだった」とここまでを振り返った。

 

2月1日にスタートしたプロ野球の春季キャンプ。新井監督が選手たちを見て、まずはじめに思ったことは「オフにそれぞれがしっかりとやってきたなと感じた。秋季キャンプから見ても野手は振る力が付いてきた」と話した。

しかし「若い選手はまだまだこれから。対外試合になるともっと厳しく攻めてくる。さらに強くならないと」とも振り返った。新外国人選手ファビアンとモンテロについては「野球や練習に取り組む姿勢もいい」と評価する。

 

カープのキャンプ中によく見かけるのは監督自ら選手全員に話しかけに行き、コミュニケーションを多くとる“新井式”だ。

報道陣から誰とよく会話をしたかと聞かれた際には「わかりません。全員とたくさん話をしたので」と答えていた。

今回の取材中、グラウンドに降りて目の前で聞いた会話は、ロングティー中だったルーキーの渡邉悠斗選手に新井監督が近づき、「スカウトから練習で手を抜かない選手って聞いてるけどな〜」と話しかけ、トスをあげていた朝山打撃コーチからも「やっぱりボスが来ると変わるな〜」と笑いを挟んでおり、キツい練習の中でもチームの雰囲気の良さを感じた。

 

 

一軍はキャンプ地を沖縄に移し、開幕へ向けて、ここからさらに選手たちの競争が熾烈になっていく。

 

◼️内田湘大が猛アピール

今キャンプで注目を集めたのは高卒プロ3年目の内田湘大だった。第2クールの2日目に行われた紅白戦ではレフトオーバーのタイムリーツーベースを放つなど3打数2安打3打点の活躍を見せ、昨年の秋季キャンプから毎日振り込んできたバットで首脳陣にアピールをした。

新井監督も内田の名前を挙げ「良いスイングだった」と評価し、さらに「彼の一番いいところは自ら練習して自分を追い込むことができる。これは誠也(カブス・鈴木誠也)と共通している。大切な才能だと思う」と話した。内田の日南キャンプの1日は毎朝7時ぐらいには球場に来て、入念にストレッチをして体の確認を行うところから始まる。

キツい練習が続く毎日でも最後まで大きな声を出し、盛り上げている姿はチームで一番目立っていた。

「練習で身体はバキバキなんですけど。やる気は十分なんで。元気だけは誰にも負けたくないなと思います」

内田は今年のオフも昨年同様に鈴木誠也が沖縄で行う自主トレに参加した。憧れの存在からたくさんのことを吸収するために過ごした自主トレの中で内田は今シーズンの目標を立てた。

「誠也さんと『俺の3年目のシーズンの記録を超すように』っていう約束をしたので、今シーズンの目標にしていきたい」

 

鈴木誠也がカープに入団してから3年目の成績は97試合に出場し、放った本塁打は5本だった。

内田のプロ2年目だった昨シーズンはリーグ最終戦で出場した1試合のみだったが、そこでプロ初打席、初ヒットを放った。

 

鈴木誠也との約束を果たすためにはこの1年、なんとしてでも一軍に生き残らないとダメだろう。

内田はライバルについては「みんなライバルなんで、みんなを意識して、その中で一番になれるように頑張りたいと思います」と話す。

 

そしてこれから増えていく対外試合に向けては「自分が今までやってきたことがどれぐらい通用するのか楽しみにしています。もちろん良い結果だけじゃなく、悪い結果であっても、その課題を克服しながらここまできてるんで、沖縄でも課題をしっかり持って頑張っていきたいなと思います」と意気込みを聞かせてくれた。

高校を卒業してカープに入り、3年目を迎えた内田の表情は今までとは違う顔つきに感じる。ルーキー時代がついこの間のように思えるが、体付きも考え方も何もかもが大きく成長している。

 

最後にこれから始まる沖縄キャンプへの意気込みをひと言でもらった。

「沖縄でも暴れるんで、応援お願いします」

初の開幕一軍へ。内田は全身全霊で突き進んでいく。そして、今季の大暴れを期待している。

 

 

ライター・ゴッホ向井

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