高卒2年目で初の開幕一軍!カープ田村俊介を支えたベテラン選手の助言とは?
「誰からも頼られるような、クリーンナップを打つバッターになりたい」。そう目を輝かせるのは、高卒2年目で初の開幕一軍入りを果たした田村俊介選手。広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、期待の若鯉、田村選手をフカボリ。急成長を遂げた理由に迫る。
※データはすべて4月8日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略
工藤公康、イチローといった名だたるプロ野球選手を輩出する名門・愛工大名電高から、2021年ドラフト4位でカープに入団。一年目はケガに泣かされ、一軍出場は叶わなかった。しかし、今年は一軍キャンプを完走し、オープン戦では14試合に出場し、打率.278、打点4、HR1とアピールに成功。高卒2年目で初の開幕一軍入りを果たした。
迎えた3月31日の開幕戦。劣勢の中の9回表、指揮官から代打に送られてプロ初出場、初打席を果たす。初球から果敢にバットを振るも、結果は見逃しの三振に倒れた。「僕の中ではオープン戦と変わらない気持ちで打席に立ったつもりだが、ファンの方々の声援だったり、いつもと違う雰囲気で、打席に立った時の緊張感にも違いを感じた。それが経験できたので、プラスになったと思う」と、さらなる成長へつながる第一歩となったようだ。
プロ2年目の飛躍は、1月に松山竜平が行った鹿児島での自主トレに参加したのがきっかけだと言う。カープ一筋16年の松山は、チーム最年長の37歳で田村と同じ左バッター。「松山さんは、すごく柔らかいバッティングをされる。僕はどちらかというと力が入ってしまって固くなってしまう部分がある。本当にすごい選手に教えてもらいたいと思ってお願いした」と話す。
「去年までのバッティングは力が入りすぎており、そこを指導していただいた。構えている段階から力が入っていると、バットが棒のように出てしまう。バットをしならせてボールに力を伝えることで打球が一番飛ぶと思うが、力が入りすぎるとバットがしなる感覚がなくなる感じだった。バットが落ちるくらい力を抜いて構え、ボールが当たるインパクトの瞬間だけ力を入れるというのを教えてもらって取り組んだ」と明かす。「力感をしっかりと使っていくという部分を意識すると、打球の質も上がった。スイングの軌道等、新しいことを一から取り組んできた部分が出せたことも、評価してもらえたのだと思う」と語る。
カープでも屈指のバットコントロールが光る松山は、田村について「すごく練習するし真面目。自分から積極的に聞いてきたりとかもしていたので、すごく楽しみな選手、最初のうちは一軍二軍を行ったり来たりすると思うが、一軍スタメンの機会があったら、そこで結果よりも内容を意識してやってくれたら首脳陣の信頼度も変わってくると思うので、試合に出ていろんな経験をしてほしい」と、エールを送る。
2月の春季キャンプでは、新井貴浩監督からもアドバイス。「“泳いでもいいから前で打て”と言われた。その時、真っすぐに差し込まれている部分があったので、泳いで打ってみると自分の中でいいポイントで打てたりした」。感覚のズレが自分の中であったことに気づいたと言う。「新井監督にはチャンスをいただいているので、それに応えたいと思っている。場面に応じたバッティングにも取り組んでいきたいので、打点を多く上げられるようなバッターになりたい」。未完の大器は今、輝く瞬間を目指し、成長を続ける。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 4月8日放送
ライター 湯谷葉子