カエルの子はカエルならぬ「カープカメラマン」の子は「自称カープ芸人」|カープ道リレーコラム第2回
どうも、自称カープ芸人ボールボーイ佐竹です!
気づけば、この様に自己紹介をするようになって、7年という月日が経ちました。
改めまして、どうも!自称カープ芸人のボールボーイ佐竹です。
今回、ご縁がありこのコラムのお話をいただきまして、どの様な事を書いたらいいのか正直迷ったのですが、とりあえずカープに関係することであれば何でもいいということなので、僕がカープを好きになるきっかけをくれた親父の事について書かせていただこうと思います。
僕のカープ好きは、親父なくしては語れないのです。
広島出身の両親の元で生まれた僕は、親父の影響で小さい頃からカープを身近に感じながら育ってきました。
ただ、僕の親父は、みなさんが想像されるような、カープが負けると分かりやすく不機嫌になったり、カープが勝つと機嫌よくお小遣いをくれる!みたいなTHEカープファンの親父というわけでは無かったんです。
しかも、親父と旧市民球場でカープを一緒に応援した記憶はありません。
じゃあなぜそんな親父からカープを身近に感じることができたのか?
僕の親父はカープのカメラマン
僕の親父はなんと、カープのカメラマンだったのです。
分かりやすく言うと、選手名鑑やカープカレンダーに載せる用の選手達をカメラで撮影してました。
なので、カープの応援には一緒に行けなくても、家には貴重なカープ選手の写真があったり、親父が仕事でもらった球場の大入り袋があったり、当時のカープ選手からの年賀状があったりと、家にいるだけでどんな時でもカープを感じられました。
しかし、仕事だったからでしょうか?親父はカープの事を多くは語ってくれませんでした。
それが当時の僕には当たり前で、僕が知ってる親父の姿は、大好きなカープ選手を撮影しているカメラマンということだけでした。
月日はながれ、僕も芸能のお仕事をさせてもらえるようになり、ちょっとずつカープのお仕事をいただけるようになりました。
そこで初めて親父の偉大さに気付かされるのでした。
仕事で会うカープ球団の方やOBの皆さんに「佐竹さんの息子さん?お父さんにはお世話になったよ」と声をかけてもらうことが増えて、それがきっかけで話が弾んで、僕の存在を覚えてくださり、仕事も緊張感無くスムーズにできたのは、親父のおかげと言っても過言じゃありません。
あと、これはあるカメラマンの方に聞いたのですが、当時、一塁側のカメラマン席の一番端(外野側)に佐竹シートという席があって、「佐竹さんだけグラウンドに出るんじゃないかってぐらい身を乗り出して写真を撮られててほんとに凄かったよ!体幹どうなっとるんじゃろうか?」という話も聞きました。
そういえば、親父は学生時代レスリングをやってたと聞いた事があります。
こんな所でレスリング経験が生かされたとは。
そんな、カープの事をあまり語らなかった親父へ、この機会にこのような事を聞いてみました。
カメラマン目線で一番絵になる選手って親父的に誰なん?
「やっぱり菊池じゃないかな、守りの時は常に菊池のダイビングキャッチを狙っとったよ。相手打者が左バッターなら、引っ張って打った時に菊池がこう走って来てこのあたりでダイビングするなと、投手が投げる前に予測して狙いを定めたうえで、カメラを構えとったよ。でも異次元の守備じゃけ、うまく撮れたのは一回か二回じゃね。」
2016年のカープ25年ぶりの胴上げの時のことも聞いてみました。
「東京ドームの一塁側から黒田と新井を狙っとたんよ、レンズ越しだと、どこにおるか分からんけぇ冷汗かいたよ(笑)。感激の瞬間だったけど、バックスクリーンにいたカメラマンは胴上げを正面から撮影せんといけんかったけえ、プレッシャーは相当なものだったはず。後で聞いた話では巨人ファンの罵声を浴びながら必死にシャッターを押しよったらしいで(笑)。」
今までたくさん撮ってきて一番印象的な写真は?
「今までいろんな写真を撮ってきて思い出すのはカープV6の時、ネット裏から大野がマウンドでガッツポーズした瞬間を撮って、カープイヤーブックの表紙に使ってもらったんよ。あの瞬間は手応えがあったねぇ。いい写真が撮れた!っていうのは、シャッターを切る手応えでわかるんよ。失敗が許されん仕事じゃけど、優勝はいつ見ても嬉しいね。」
いろんな写真を撮ってきた親父ですが、僕が一番印象に残ってる親父が撮った写真を最後に紹介させていただきたいと思います。
皆さん覚えてますでしょうか?
ブラウン監督の時、今年で最後になる市民球場とかけて制作された、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」をモチーフにした開幕ポスターです。
あれも実は親父が撮った作品なんです。
緒方、嶋、梵、倉、長谷川、大竹、ブラウン監督、永川、栗原、石原、前田智、東出、梅津(モナ・リザは松山)
「あれは、選手たちに色んなポーズしてもらって、普段するようなポーズじゃ無かったけえ大変じゃったんよ。」
このコラムをきっかけに、カープの事をあまり口には出さなかった親父に色々聞いてみて、親父のカープ愛を知ることができましたし、僕も親父に負けないよう、これからもっとカープを愛し精進していきたいと改めて心に誓うのでした。
ライター/ボールボーイ佐竹(カープ芸人)
広島ホームテレビで毎週水曜深夜に放送されている「カープ道」。カープを知らない、興味ない、乗っかりたい人必見のカープ学習番組です。CarpCarpCarpでは、毎週木曜日に番組出演者によるリレーコラムを掲載中です。