ヤクルトに3連勝で交流戦へ 29日の勝利のポイントは「考えられたバッティング」

カープは交流戦前最後となるヤクルト3連戦を3連勝。カープOB前田智徳さんに解説してもらった。

 

■リードオフマン菊池の先頭打者ホームラン&アンダーソンの危なげないピッチング

「9連敗中のヤクルトを相手に、先制すればかなり有利な展開になるという中で、菊池選手の先頭打者ホームランはかなり大きかったです。菊池選手と言えば、2番というイメージが皆さんに焼き付いてるかもしれませんが、もともと制限を設けると菊池選手の良いところが消えてしまうタイプの選手なんです。ですから、ここまでは彼の対応力で成長してきましたが、1番バッターというのは2番より向いていると思います。2番だとランナーがいて、常に考えなくちゃいけないので。逆に1番というのは、特にプレーボールからの打席というのは全く制限がありませんから、彼にとっては最高の打順じゃないかなと思います。」

 

アンダーソンは7回1失点の危なげないピッチングを披露。無四球という内容にも高評価だった。

「3点差というのは、安心できる点差ではないんですけど昨日のアンダーソンはフォアボールがなかったということ、そしてストレートに力があったことがよかった。球数も少なく7回をしっかりまとめてくれました」。

 

■5回の菊池と上本の打撃に注目

1点リードで迎えた5回。先頭の中村貴浩がヒットで出塁するも、アンダーソンがスリーバント失敗でランナーを進められず、嫌な流れ。そこを断ち切ったのが菊池と上本の打撃だった。

「嫌な空気になったところで菊池選手の打席、2ボールになった後の球に注目しました。1打席めでホームランを打った球と同じような球が来ましたが、あえて見逃しているんです。カウントを整えて3ボール2ストライクでランエンドヒットをできるカウントにしてから打ちました。その結果の1塁3塁です。これは僕の大好きな打撃なんです。一気に長打という考えもあるんですが、もしもダブルプレーやポップフライだと相手に流れを持っていかれる場面で、考えられた打席でした。ここは2番バッターとしての経験がいきましたね。このあとに決めたのが上本選手なんですが、どうしても追加点が欲しい場面ですよね、ここで一番嫌なのはダブルプレーです。だからベンチはランエンドヒットという作戦に出るんですが、上本選手は強いゴロを打ちました。あの体制ではバックホームはできませんし、最低でも1点は取れるという打球でした。この打撃も見事、味のある攻撃でした。

 

CarpCarpCarp編集部

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