前田智徳×松山竜平 新旧代打の切り札対談「抑え投手は一度見ればイメージできる」
終盤の勝負所に欠かせない代打の切り札・松山竜平。その松山に、かつてのカープの代打の切り札前田智徳が切り込んだ。
前田「シーズンも終盤になってきましたけど優勝争いをしてますよね ここまでの戦いを松山さん自身はどう感じていますか?」
松山「すごくみんな楽しく でも締めるところは締めて良い雰囲気でやれていると思います」
前田「今年監督変わって開幕してここまで松山選手はどのようにチームの成長を見てこられたんですか?」
松山「若い選手がガツガツしてるというか」
前田「そうでうね 若い選手が頑張ってくれているのを感じます それが一番ですね」
松山「それにベテランもしっかり応えられているかなと思います」
松山が指摘した通り今シーズンカープは若い力が躍動している。そこに松山らベテランも存在感を発揮する活躍を見せ優勝争いを展開。強いカープが戻ってきている。
前田「最年長、代打の切り札、もちろん4番も打たれてますし、ここに癒し系キャラと書いてあるんですけど自覚はあるんですか?色んな役割あると思うんですけど」
松山「まぁまぁひと回り以上離れた選手からもいじられてるんで」
前田「それは変わらず私が居た時から変わらずですか、下から「おい」とか言われてるんですか?」
松山「はい 言われてます(笑)」
前田『「マツ」とか「まっちゃん」とかいわれてるんですか?』
松山「そうですね まぁ一番言うのはキクなんで」
前田「まぁ菊池選手なら分かりますけどそれより下の?」
松山「さすがにそれより下は「まっちゃん」は無いですね(笑)」
前田「そんな非常識な選手はさすがにいないですね そういう選手はいないと思いますけど」
8月4日のジャイアンツ戦。試合を決めたのは松山のバットだった。サヨナラタイムリーを打ったヒーローのもとにみんなが集まる。よく見ると菊池のキックが松山に炸裂。
上本など後輩たちが手荒い祝福。ムードメーカー松山を中心に歓喜の輪が広がっていた。
松山は懐の深さに加え、本業のバットでもチームのムードを盛り上げている。ここまで代打での打率.417と無類の勝負強さを発揮している。
■驚異の代打成績 今季一番は「巨人・大勢からの一打」
前田「そして代打という私も経験あるんですけど セ・リーグでは本当に重要なポジションだと思うんですね DH制がないので ここまでのご本人の評価は満点ですか?」
松山「そうですね正直 代打ではよくやれているなとは思います ただまぁスタートで出た時に全然ダメなんで」
前田「なんでなんですか、それは?」
松山「そこが僕もよくわかんなくて」
前田「スタメンでも代打でも 今年はこれは良い仕事したという打席は」
松山「巨人戦の大勢から打ったやつ」
前田「あれはエグかったですね」
松山「あれはもう最高でした」
今年、松山と大勢の対戦は3打数2安打。1度目は4月28日、3点を追う9回だった。センターを襲うタイムリー2ベース。そしてもう1本は、5月12日。1点を追う9回。狙いすましたようにレフトの前に落とす同点タイムリー。いずれも大勢の自慢のストレートを捉えたものだった。
前田「その時の何が良かったんですか? 大勢投手はリリーフエースですよねジャイアンツの」
松山「イメージ通りに打てたっていうのが。とにかく映像も見てますし、ピッチャーの一番の武器の軌道をイメージして打席に入るので」
前田「でもストレート155キロ前後出るじゃないですか大勢投手は。球も速いし1イニング全力で腕振ってくるわけですから」
松山「それが全然(打席)立ったら速く感じなかったです」
前田「(速く)感じなかった もうその域ですか?」
松山「感じなかったですね」
前田「教えてあげてください(笑)。どうしたら少しでもボールが速く見えない方法とかあるんですかなんか」
松山「やっぱりイメージもします。その投げてくるピッチャーの球筋、スピード感を」
前田「しかも左右関係ないじゃないですか」
松山「はい。もう行けるところならどこでもって思ってますんで。結構抑えの左ピッチャーとか来たら、そのピッチャーは1回見たら次はもう行けるなっていうのはあります正直」
前田「軌道がある程度イメージできて?」
松山「球のキレとかもイメージします」
前田「阪神で言ったら岩崎投手とか」
松山「岩崎投手、ヤクルト田口投手とか だから他の左がそこまでっていうのもありますね」
前田「中川投手 ジャイアンツの」
松山「中川君 全然いけるなっていうのがありました」
■松山竜平は“代打の神髄”をつかもうとしているかもしれない
ジャイアンツ中川とは今シーズン3度対戦している。1度目は打ち取られ、2度目の対戦となった7月13日。松山はその言葉通りヒットを放ってみせた。さらに3度目の対戦は一打サヨナラの場面。
結果はサヨナラタイムリー。「1度見た投手は、次には対応できる」松山は、代打の神髄を掴もうとしているのかも知れない。
前田「まだまだ全盛期ですね代打の 代打いくつくらいまで出来そうですか?」
松山「いや出来る限りは」
前田「いま30…」
松山「38の歳です」
前田「38でしょ じゃ45くらいまでいけますね」
松山「45までいけるならいきたいです」
前田「代打でぱっと行って150キロ以上の球をバシっといける身体作りをちょっとやっておけばいけますね 余裕でね」
松山「はい 頑張ります」
前田「チームの話に戻りますけど優勝争いしてますよね そしてクライマックスもありますし勝ち抜いていくには それぞれがどういう事が必要になってくると思いますか?」
松山「そうですね やっぱりここ何試合かミスが目立ってるというのがあると思うんでそこをもう一回みんなで引き締め直さないといけないかなと思いますね そこが正直一番かなと思ってます」
もう一度、みんなで喜びを掴むためにー。
チーム最年長、そして3連覇を知るベテランだからこそ、松山は今一度足元を見つめ直さなければならないと気を引き締める。そんな松山に、前田はさらなる活躍を求めた。
前田「松山選手 代打ですけどスタメンで見たいですね」
松山「いやもう 出たいです」
前田「スタメンきょう行きたいですとか新井監督とか「おう分かった」とか言ってくれそうじゃないですか」
松山「いや新井さんは「あと残り試合全部スタートで行こうか」って言うんですけど今日も言ってきましたけど「ちなみに今日(スタメン表に名前)出てないっすよ」って言ったら大笑いしてました」
前田「そういうお返しはしてるんだちゃんと」
松山「いつでも行きますって言って」
前田「じゃ何日のどこどこの誰誰って言えば「そこまで調べてるのか、よし行こう」とかでも全部行きますか 本当に」
松山「いや全部 全然行きます」
前田「じゃ代打は誰がやるんですか 切り札?」
松山「誰かいますかね」
前田「後継者」
松山「もう1回前田さん。ちょっと復帰してください(笑)」
前田「私はもう無理ですよ、本当に。長男の草野球行っても打てないですよ(笑)」
前田「全盛期の松山選手でした 代打全盛期の松山選手でした。次またアンパンチ見せてください」
松山「頑張ります!」
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 8月26日放送
CarpCarpCarp編集部