今季限りでの引退を発表した広島の一岡竜司投手が1日、引退会見を開いた。このあとの阪神との今季最終戦で登板を予定している。

引退会見の主な内容は以下の通り。

ー引退の日を迎えてどんな気持ちですか

「現役生活を12年間、当時は専門学校からプロに入団できて２，３年できたら良いなというのが正直な気持ちでしたが、移籍も野球選手として経験できて、なおかつ12年間もできて、こういう引退試合・セレモニーをしていただいて、本当に周りの方に恵まれた12年間でした」

ー引退を決めた理由と決断時期は

「ここ2，3年は戦力になれていませんでしたし、その自覚もありました。自分のストレートを投げられなくなったのが大きな理由で、自分の投球スタイルを変えてはいたんですけど、正直1軍で通用するレベルにはならなかったというか。2，3年そういうスタイルでやらせてもらって通用しなかったので、ここは自分で納得して引退ということを決めました。いつごろ決めたというのはないですけど、ずっと思っていた気持ちなので1週間前くらいに球団に言わせてもらいました」

ー32歳での引退に迷いは

「むしろ、そういう状態になって3年契約してもらった球団に感謝の気持ちしかなくて。悔いだったり後悔だったりは不思議なくらいありません」

ー新井監督と何かお話は

「新井監督の現役時代に自分が投げていたこともあったので、そういう特別な思いが新井監督にはあると言ってもらって、本当に選手として嬉しい言葉をかけてもらいました。（新井監督からは）『ぼくが現役時代に一緒に戦った選手は送り出してあげたい」と言ってもらって、きのうの試合後にも自分を投げさせてくれるといってもらえたので、これ以上幸せなことはないと思います」

ーカープの10年間はどんな時間

「移籍した当初は、右も左もわからなくてなんとかプロ野球という世界で1軍の舞台で成功したいという気持ちで、この1試合で終わるかもしれないという気持ちで、290試合くらいですかね。そういう思いで腕を振ったので納得していますし、街を歩いても広島市民の方から温かい言葉をかけてもらって、そういう応援が背中を押してくれたので、関わってくれたすべての人に感謝したい」

ー印象的な試合は

「どの試合も最後だと思って、腕を振って投げてきたのでこれといった試合はないんですけど、2013年のオフに巨人でウインターリーグに行って、違うチームに溶け込むための1試合目が大事だと痛感して、それを知った上での日南キャンプだったので。最初のキャンプで当時の主力に投げた試合がターニングポイントだったと思います」

ーリーグ優勝、3連覇も期間を振り返って

「振り返ってみると、正直打たれた嫌な気持ちしか思い出さないんですけど、そういう中で連覇という形になったのは非常にいい思い出ばかりなので、一緒にやれたブルペン陣やチームに感謝したい」

ープロでこだわってきたものは

「無名の専門学生から巨人に入れてもらって、そのときはストレートが売りだったので、何が良くてプロに入ったか分からなくならないように、本当に自分の真っすぐが投げられなくなったら終わりだと思っていたので、最後までストレートで勝負した結果なので、納得しています」

ー12年間、支えになったもは

「大きな手術はなかったですけど、よくケガをするタイプだったのでトレーナーのみなさんに陰で支えてもらって、選手寿命を延ばしてもらったと思っています。あとは家族です。子どもも広島に移籍してから生まれて、いまでは広島弁で話しかけてくれて、すっかりぼくも広島の人間になれたなという気持ちです」

ー改めてどんなプロ野球生活でしたか

「カープにはもちろん感謝の思いしかないですし、ジャイアンツにも無名の専門学生をプロに入団させてくれて感謝の気持ちでいっぱいですし、12年間もやれると思っていなかったので、最高の花道を用意してもらったので、最後の1試合全力で腕を振りたいと思います」

ーファンへメッセージ

「ジャイアンツで2年間、カープで10年間お世話になりました。すっかり広島の街が好きになって、リーグ優勝も3連覇も経験できて、最後このような舞台をつくってもらって僕は幸せ者だと思います。12年間ありがとうございました」