番記者と2023年カープを総決算!後半戦 【カープ道】
広島ホームテレビ『カープ道』では、一般紙とスポーツ紙それぞれから番記者を迎え、二週にわたって今年のカープを総決算。番組ならではの初出しスクープも披露してもらう。ゲストは、カープ担当3年目、朝日新聞社の記者・辻健治さんと、カープ一筋16年のベテラン記者・日刊スポーツの前原淳さん。そして選手とも親交深く、番組の番記者的存在のカープ芸人・ゴッホ向井さん。
まず、<今年イチの自信作>を聞くと、辻さんは、CS開幕する直前に出した記事をあげた。「今季、新井貴浩監督が何をやっていたかをまとめた。大きな記事になるとは思ったが、そこに新井監督の写真が三枚も載るとは・・・。異例のこと。機動力野球の復活、中継ぎ陣の立て直し、苦言を口にしない他、あくまで野球のことを書いているが、若手に苦言を口にしないとか、上司に見てもらいたい内容」と、一種のビジネス書的な書き方をしたと明かす。
前原さんが選んだのは、前回の放送でも披露したCS初戦の記事。「勝利の瞬間、飛び跳ねた新井監督をとらえた紙面。何が言いたいかというと、勝利の喜びを描画してくれているので、記事なくても売れた。さすが新井監督の表現力」と話す。写真のアクセス数も凄かったこの写真は、カメラマンによると狙い撃ちだったという。
続いては、<『カープ道』だけの初出しスクープ>を。辻さんは、「オフシーズンの野間峻祥選手。FAせず残留を決めたが、オフのイベント出演他の情報に野間選手の名前が出てなかったので、野間選手をつかまえて、“オフのイベントに名前がないけど、FAしないよね”って聞いた。そうしたら“呼ばれてないんで”と言われた。とんだ早とちりに謝るしかなかった」と振り返る。
前原さんのスクープは、「菊地原毅コーチ、渾身のモノマネも空振り」。「普段はおとなしく、マウンドでも淡々と投げるタイプの島内颯太郎投手が、抑えた瞬間ガッツポーズを見せ、雄叫びをあげた試合があった。そこで試合後、菊地原コーチが、以前大相撲で貴乃花に向けて小泉純一郎元首相が言った“感動した”という言葉を送ったが、島内投手はキョトンとするばかり(笑)。チームメイトからもかなりイジられたらしく、島内投手は今後ガッツポーズも雄叫びもあげないと言っていた」と話す。また、ベンチでガッツポーズして喜ぶのは新井監督と藤井彰人ヘッドコーチだったが、菊地原コーチがシーズン途中ブルペンからベンチに入ってから、ガッツポーズするおじさんは3人になったと付け加えた。
ゴッホさんは、「矢野雅哉選手は、自主トレ中、初めて買ったボートレースの舟券500円が、約1800倍ついて92万円になった。矢野選手は持っている男」と、大スクープを披露。
<来季期待のキーマン>については、辻さんは、床田寛樹投手をあげ、「2ケタ勝利と規定投球回に到達するのを目標に掲げ、それをクリアした次なる目標として、本当のエースと言われる存在になってほしい」と期待する。前原さんは「西川龍馬選手がFA移籍となり、打線で言うと若手の台頭が欠かせないが、その中で打線の柱として秋山翔吾選手の活躍を来季も期待する」と語る。
最後に、<来季の未来予想記事>を書いてもらった。前原さんは「シーズン30HRの末包昇大選手が背番号25を要求!!も新井監督即却下」と。「シーズン中からメディアが近くにいる時に、新井監督が末包選手に“背番号15がほしいと言ってるらしいな”っていうイジリをして、“違います、25です”と言う返しがお決まり。これを地でいってほしい。1年でダメでも、いずれ新井監督が25を渡す時が来たら美しいのでは」と、目を細める。
辻さんは、「40年ぶり“平成ジャンプ”の日本一」。“平成ジャンプ”とは、平成の時代を飛び超えるという意味のネット世界の言葉。「直近の日本一から一番遠ざかっているのがカープ。昭和の時代にはやっていたけど、平成を通り越して、令和になってようやく・・・と、まさにカープがその状況。40年と言う重みがある。久々のAクラスの勢いをそのまま持続してほしい」。うまい言葉遣いに、カープの日本一と共に、流行語大賞も狙いたい様子だ。
広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 12月13日放送
ライター 湯谷葉子