カープのエース斉藤優汰と呼ばれるために 努力を惜しまずプロ2年目を過ごす

苫小牧中央高校を卒業して北海道から広島へ。入団時に新井貴浩監督は「焦らなくていいから、ゆっくりコツコツやっていって、いずれはカープのエースに」と期待を寄せた。

2023シーズンを終えた斉藤優汰。1年目はファームで小林幹英3軍投手育成強化コーチと共に土台作りに励んだ。その中でも5試合に登板し見つかった課題とも向き合った。

「技術面はもちろんですが、立ち居振る舞いも、沢山勉強して成長したいです。大地さんは人間力としても本当に素晴らしい方、そんな人になりたい」とこのオフの自主トレは先輩・大瀬良大地にお願いをした。

そして2024シーズンに向けて「今年の開幕は“絶対に”一軍にいたい」と、楽しみな目標も話してくれた。

■ 「習慣は第二の天性なり」

プロ野球選手になったなと感じるのは“野球漬けの毎日を送ることができる”という点だそうだ。
「高校だと授業があって練習っていう流れだったんですけど、プロに入ってからはもう朝起きて練習っていう、本当にずっと野球をやってる感じがあるので、そこでプロになったんだなって感じますね」

黒田博樹球団アドバイザーも話していた「今までは文武両道の世界だったかもしれないが、これからは野球だけに時間を全て使える」、それを実感している。

そんな斉藤の座右の銘は「習慣は第二の天性なり」。これは中学時代に読んでいた漫画の中で出会った言葉だ。

「成功の習慣化をしてください。『なんだか今日は調子が悪い』はナシです」
漫画『ハイキュー!』に登場する鴎台高校の監督アーロン・マーフィの台詞だが、この鴎台高校のスローガンが「習慣は第二の天性なり」である。

身についた習慣はいつかは生まれつきの性質のように深く身についている、という意味で使われる言葉だが、斉藤にぴったりの座右の銘だろう。学生時代からどんなに厳しい練習を終えたあとや疲れている時でも毎日の勉強やストレッチなどは欠かさずに続けてきた。しかも学力は学年で1位という優秀な生徒だった。そんな自分の性格をひと言で言い表すと「考えて行動できるタイプ」だと分析する。

■ 斉藤優汰の雨男説

試合日に雨が降ると「あれ?今日斉藤が先発?」と話題にあがる。その理由は、いざデビュー戦となるはずが、ウエスタン・リーグでの登板予定がまさかの2試合連続で雨天中止となったことからだ。
「昔を思い出してみると練習試合でリリーフするってなった時はよく雨降ってました(笑)、でも雨男ではないと信じたいです(笑)」

実戦デビューを本人的にも楽しみにしていた分、雨で流れてしまったのは少し引きずったらしい。

「本来ならもっと早く投げさせてもらえてる筈だったんですけど、やっぱり雨で流れてしまったのはちょっと悔しいです。周りの先輩たちからも斉藤は雨男ってずっと言われます。でも雨男は自分じゃないと思います」
と、雨男説だけは否定し続けている。

結局、対外試合での初登板は2023年5月24日由宇球場で行われたオリックス戦となった。この日、黒田博樹球団アドバイザーも由宇に足を運び斉藤のピッチングを見守った。1イニングを投げ最速は151キロ、先頭打者ホームランを浴び、その後、連続ヒットを許し2失点したが、1アウトを取ってからの2者連続奪三振は大器の片鱗を見せた。ちなみにこの試合、ドラフト同期組も斉藤の様子が気になり横並びで見つめていた。

そして皆が口を揃えて「今日は雨降らなかったな」と言っていた。

入団時に新井監督から言われた“焦らずコツコツ”
斉藤はしっかりと努力を重ねてきた。手ごたえを感じられたのは秋季キャンプ中に行われた侍ジャパンとの練習試合だろう。斉藤は日本代表を相手に2イニングを無安打無失点に抑えた。
圧巻だったのは2番手でマウンドに上がってからの1イニング目。阪神森下翔太、DeNA牧秀悟、そしてチームメイトである小園海斗というクリーンアップを相手に全球ストレート勝負で三者凡退で切って取った。

「やっぱりストレートに自分は一番自信があるので、一軍レベルの選手を相手に自分の真っ直ぐがどれぐらい通用するのかを試してみたかった」と言う。

今年が2年目のシーズン。一体どんな成長を見せてくれるのだろうか。これからの未来がとても楽しみな若鯉のひとりだ。そして遠く北海道からも家族が楽しみに応援している。

「去年2月に母親が誕生日だったので、弟にこれどう?っていう風に聞いて、二人で考えて自分がお金出して白いバッグをプレゼントしました。次は自分の活躍を見せられたらと思います」

自慢のストレートをより磨き上げ、我々をアッと驚かせてほしい。成功の習慣化を軸に、斉藤優汰のこれからが楽しみだ。

 

ライター ゴッホ向井

LINE はてブ Pocket