【前田智徳×田村俊介】レジェンドが若手ホープとスペシャル対談

HOME野球解説前田智徳さんと20歳の若鯉田村俊介選手のスペシャル対談です。田村選手のこだわりや成長の理由そして侍ジャパン、カープでの活躍など前田さんがたっぷりとフカボリして
くれました。

前田「初めましてですよね?」

田村「はい!」

前田「初めまして、前田と申します。時代遅れの老害ですけど(笑)。よろしくお願いします」

田村「よろしくお願いします」

前田「昨年不運な骨折があったじゃないですか。終盤すごく内容も結果もよくて。あの時の状態が10だとしたら今の状態はどのくらいですか?」

田村「結構近い状態だと思っているので、8・9くらいには近づけているとは思います」

前田「西川選手が移籍をしましたよね。末包選手もけがで出遅れていますし、侍ジャパンにも選ばれて1番レギュラーに近いんじゃないかと思っているんですけど

田村「僕は同じポジションの人にライバル心を抱いたりはせずに、自分は自分だと思っているので自分が求めるところを毎日毎日目標に近づこうとやっているので、あまりライバル心を抱いたりとかもしていないですし、自分がという考えになりますね」

前田「理想のバッティングが当然あると思うんですけど、どういったところを目指していますか?」

田村「相手チームが嫌がるバッターになりたいですね」

前田「例えば具体的にはどんなバッターに?」

田村「キャッチャーからしたらどの球を張っているのかわからないようなバッターだったりとか、守っている側としたらどこに飛んでくるかわからないような、そういう相手が嫌だと思うようなバッターになりたいと思っています」

前田「その中でこだわりは?」

田村「考え方にこだわりがあって、各球団エース級のピッチャーが来ても弱気には絶対になりたくないと思っていて、どんなピッチャーでも絶対にこのピッチャーから打てるという気持ちを持って、打席には立とうと思っています」

前田「今の時点では格上のすごいピッチャーが来ても、いざ打席に入れば自分の空間に入れるということですか?」

田村「そうですね」

前田それは高校時代から?おもしろいですね」

田村「高校1年生の時から試合に出させてもらって、いろいろ先輩を相手になると自分が弱気になってしまうと勝負にならないですし…」

前田「なりますよ!だって、年上の先輩が投げたら怖くてちょっとやめておこうかと…」

田村「僕はそういう考えが嫌なのでどんな相手でも」

前田「グラウンドでは関係ないと?」

田村「はい」

前田「僕も高校を出て3年目くらいにレギュラーになっていったんですけれども、毎日打てるわけじゃないですか。いかに1試合2試合打てなくても、3試合目には絶対結果を出す粘り強さと微調整切り替えの大切さ非常に期待していますので、頑張ってほしいです」

田村「頑張ります」

■前田×田村“バットのこだわり”

前田「メンタル的な話は今聞いていておもしろいと思ったんですけど技術的にバットの話をしたくて。例えばバットの持ち方とか、何かこだわりはありますか?」

田村「そうですね…。構えの時はほぼ力は0ですね」

前田「グリップエンドに小指はかけるんですね」

田村「かけてますね」

前田「そのひっかかりがすごく心地良い感じですか?」

田村「このひっかかりが自分はすごく大事です。薬指をかけて、バットのヘッドを走らせたいと思っています」

前田「そのヘッドの重みと言うか、遅れてくる感じがたまらないですか?」

田村「そうですね、構えているときにちょっと動かしてヘッドの重みを感じるんですけど、その重みをどれだけボールにぶち当てられるかだと思っています。高校の時から木製バットを使っていて、その時よりはグリップを若干補足したんですけど…」

前田「細いですよね!」

田村「インパクトの瞬間にちょっと操作できるようにしています」

前田「ちょっとバット持っていいですか?右手の部分が細くないですか?これが今の流行ですか?勉強させてください(笑)」

田村「他の選手にバットを触ってもらったりすると、あまり良いようには言ってもらえないんです。」

前田「バットの先端も相当くりぬいていますよね」

田村「バットの先端をくりぬいて、重心を下げることによって体に近づいてバットが出やすくなるので。そこは結構こだわっています」

前田「おじさんのこだわりも言っていいですか?キャンプの時や春先は、グリップエンドに小指をかけてヘッドを聞かせて振るんです。けど、夏場になると、指をかけずに振るんですよ。なんでもないこだわりですみません」

田村「僕も小指をかけないことがあるんですよ。でもそれだと感覚が変わってしまって。前田さんは何で…?」

前田「春先は自主トレとか、ウエイトとかやって体が元気なんですよ。元気だと、小指をかけてもしっかり振れるんですよ。だんだん夏場になって疲れてくると、小指をかけて振れなくなってくるので、ちょうど良くなってくるんです。すみません。今のは忘れてください」

田村「いえいえ。僕もやってみます」

 

■手本となる師・松山竜平の存在

前田「2年連続で松山さんの自主トレに参加したということですが、何を学びました?」

田村「1回目の自主トレに行ったときはスイングの軌道を徹底的に治しました。バットをセンター方向に投げろって言われても、ライト方向にしか行かなくて、どうやったらセンターに行くかもわかりませんでした」

前田「実際にバットを投げて?」

田村「そうです。自分より右側にしか行かなくて。そこからずっとバットを投げてだんだんセンター方向に行くようになって、そこからどうボールに向かっていくかを教わりました。」

前田「松山選手からお手本を見せてもらいました?」

田村「見せてもらいました。すごいですよ。」

前田「松山選手が凄い!松山選手おめでとうございます(笑)」

前田「松山選手は右利き(右投げ)で田村選手は左利きですがその違いは?」

田村「僕が思っているのは、僕は左腕の方が強くてそっちの感覚の方が強くて、逆に松山さんは右腕の感覚が強いので、お互いの感覚を取り入れられればもっと強いなと思って。」

前田「だからいま右腕だけでバッティング練習しているんですね」

田村「はい。変化球を拾うのは結局右腕なので」

■指揮官から受けた言葉で可能性が広がった

前田「監督とは何か会話することはありますか?」

田村「新井監督にはケガのことを気にしてもらっています。去年の春のキャンプで泳いでもいいから、前で打てと教わりました。それが心に残っている言葉で、そこから前で打たないと勝負にならないと感じて、ポイントを前にしないと勝負にならないと気づけたので、少し結果が出たことに結び着いたと思います」

前田「田村選手もプロで2,3年やってきた中で高校時代からどれくらいポイントは前になりました?」

田村「結構大げさに前で…。ボール7.8個分前ですかね」

前田「そんなですか!?」

田村「それくらい大げさにしてちょうど良かったので。高校野球は金属バットで、詰まっても飛んだので 、木製にしたらそうじゃなくて。1年目はずっとバットを折っていたので。大げさにしてちょうど良かったです」。

前田「今はどれくらいですか?」

田村「今でも7.8個分前ですね。バットのヘッドが返った先で当たってもいいやって感じです」

前田「いいですね。面白いですね」

前田「今シーズンの目標は?」

田村「1年間1軍出場です」

前田「これはね、レギュラーを取ってますが1年間しっかり活躍するということが入っていると思うので、私たちは期待するしかないので。それだけの素質がありますし、近くで見たらすごいですよ。高卒3年目の体じゃないですし、うらやましいです。野球に没頭してください。今しかできないことにしっかり取り組んで、私たちを楽しませてください」

田村「頑張ります」

 

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