「今野球が楽しいです」と語ったカープ新選手会長|カープ道リレーコラム第48回
ライター/ボールボーイ佐竹(カープ芸人)
「今日は、お足元の悪い中、足を運んでいただきありがとうございます」。
カープの新選手会長は、ニヤリと笑いながらも、いつにない口調で、僕にとっての2024年シーズン初のカープ選手インタビューを受けてくれました。
新選手会長として挑む今シーズン、果たしてどんな気持ちで挑んでいるのか?
※写真はイメージ
プロ14年目にしての初の4番を経験
新井監督一年目となった昨年の2023年シーズンは、主軸打者の離脱もあり4番打者には7選手が起用されました。
上本選手をはじめ菊池選手など、カープファンの僕らも驚きの4番打者が登場したのですが、そんな中、カープファンが待ち望んでいたプロ14年目の堂林選手がついに自身初の4番打者として出場したのでした。
プロ14年目にして初の4番に座った堂林選手。
この4番起用をどのように伝えられたのかと言うと、実は試合前まで何も聞かされておらず、その日、球場に着いて、「今日はスタメンなのか?何番打つのか?」を確認するため、今日のスタメンが書いてあるホワイトボードを見にいくと、
「打順の、6、7番見て自分の名前が無い、、、じゃあ今日は上位か、1番、2番、、、、あれ、、、俺、今日出てないな、、、と思って、パッと4番のところを見たら、堂林と書いてあって、、、、うっそ!?」ってなったらしいです。
その後、恥ずかしいので、じーっとホワイトボートを見て確認するんじゃなく、何度もそのホワイトボードの前を通り、チラ見で確認したんだとか。
2024年開幕戦
サプライズでの初の4番から数ヶ月。
カープ2024年シーズン開幕戦の4番に座ったのは、新選手会長の堂林選手でした。
今回の4番指名はサプライズとかではなく、試合前日の横浜スタジアムでのナイター練習の際、外野の練習をしているときに新井監督から直接、「明日4番レフトで行くから」と言われたそうです。
その言葉に「気持ち的に、またぐっと引き締まりました」とその時の感情を教えてくれました。
そして迎えた開幕戦。
「相手の開幕投手が東投手だったのでやられっぱなしだとさすがに、今年は違うぞというのを見せたいなと思っていました」と振り返る1打席目、いきなりチャンスで回ってきます。
「いきなりここで回ってくるかと思いましたけどね(笑)でも結構冷静でした」。
初球からガンガン行ってやろうと思って打ちに行ったボールは、想像以上にいいボールが来てしまい、打ち取られてしまいました。
そして2打席目、またもやチャンスで回ってきます。
「また来たかと思いましたね、また来るかと、ちょっと楽な場面で最初欲しいなと思ったんすよ、だけど2打席連続でチャンス来たなと思って、まあ腹くくっていくかくらいな感じで」。
そう心に決めて打席に向かったのですが、内心めちゃくちゃ緊張して足も震えてたみたいです。
でも堂林選手はひるむこと無く、東投手の初球を見事にセンターに打ち返したのです!
これが2024年シーズン、カープにとっての初打点となりました。
「興奮しましたねー!」と、満面の笑みでその瞬間を振り返ってくれました。
今野球がめちゃくちゃ楽しいです
そんな堂林選手に、以前から何度もインタビューやトークショーをさせてもらってる中で、今でも思い出に残るインタビューがあります。
それは2020年の夏のことです。
試合前の練習後に、僕を見るなりニヤニヤしながら「やりずらぁ〜笑」と、爽やかなブルーのTシャツ姿で堂林選手は登場しました。
今思えば、選手会長となってからのインタビューの時とは大違いのスタートでしたが、いつもインタビューが始まる前に、僕をいじってくるのは、ありがたい限りです。
早速、成績について聞くと「出来過ぎです」と謙虚に答えてくれました。
その好調の要因などを聞いた最後に、僕が1番聞きたかった事「いま野球は楽しいですか?」という問いに堂林選手は満面の笑顔で答えてくれました。
「めちゃくちゃ楽しいっす!」
今シーズンも選手会長としての責任もプレッシャーもあるかとは思いますが、当時のインタビューで言ってくれた「野球が楽しい!」という気持ちと共に今シーズンも活躍してほしいと思います。
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