沖縄尚学からカープへ。未来の和製大砲候補・仲田侑仁「目標は本塁打王」

身長187cm体重105kgと恵まれた体格を持つ。魅力はもちろん長打力で、高校通算は22発。

カープの未来の和製大砲候補として楽しみな弱冠18歳の仲田侑仁について、今回は書かせていただく。

 

 

沖縄尚学高では主砲としてチームを牽引し、春夏連続の甲子園出場を果たした。

3年春の選抜では大垣日大高戦で満塁弾、夏の慶應義塾高戦ではレフトスタンドへホームランを打っている。

その高校生離れしたパワーは、さらに化ける可能性を大きく感じさせてくれた。

昨年のドラフト会議でカープから4位指名を受け入団。

沖縄尚学卒で支配下指名は初だ。今季がルーキーイヤーとなるが、1月中旬に腰を痛めたため、別メニューで調整を続けていた。

 

■ ついにデビュー戦へ

プロに入り、思う様なスタートは切れなかったかもしれないが、腰の痛みも回復し、チーム練習に合流。ここから勝負の世界が始まる。

「100%まではまだ上がりきってはいないですが、自分の出力をだしていけているので、無理をしてまた痛みが再発しないようにケアをしっかりしながら、徐々に上げていけたらいいなと思っています」。

練習風景を見ると仲田の身体の大きさに目が留まる。他選手と比べてもひと回りは大きい。

仲田の将来の目標は“ホームラン王”だ。

インタビューでは「ファンの皆さんに、バックスクリーンに穴を空けられるようなホームランを見せたい」と語ってくれた。

 

そんなワクワクするような話をしてくれる仲田だが、ついに4月19日タマスタ筑後で行われたソフトバンク戦で7番DHでスタメン出場し、デビュー戦を迎えた。

緊張の初打席では見逃し三振だったが、2アウト一三塁とチャンスで迎えた第2打席ではセンターへのタイムリーヒットを放ってみせた。

「あの打席はチャンスで回ってきたので、絶対にやってやろうと思って打席に入りました。ヒットを打って、すぐに純さん(廣瀬純コーチ)からグータッチをしてもらえたのが嬉しかったです」。

彼の持ち味である“チャンスでの強さ”をしっかりとアピールすることができた。どんなピッチャーが相手でも強く振ることができるのも彼らしさである。

この初ヒットはみんなも喜んでくれた。

一つ年上の斉藤優汰と内田湘大は可愛い後輩の初ヒットを突然仲田の寮部屋にケーキを持って入るというサプライズでお祝いした。

そして、家族からもグループLINEに『おめでとう!』と連絡が届いていた。

「みんなに喜んでもらえたのが凄く嬉しかったです。まずはこの二軍で4番を任せてもらえるようになりたい。これからも頑張ります」と、またワクワクする話をしてくれた。

 

■ さんぴん茶を箱買い

ある時、『仲田がさんぴん茶ばっかり飲んでいる』そんな噂が耳に入ってきた。

“さんぴん茶”とは、沖縄ではスーパーやコンビニなどでも入手できる身近なお茶で、華やかなジャスミンの香りが特徴である。

本人に事の真相を聞いてみると笑いながら教えてくれた。

「はい。さんぴん茶いつも飲んでいます(笑)。やっぱり沖縄の雰囲気が好きなので、少しでも感じたくて飲んでいます。昔から慣れ親しんだ味は落ち着きます」。

広島ではなかなか目にする事がないさんぴん茶は、Amazonで仕入れるそうだ。なんと1ヶ月で2箱ほど注文して保管しているという。

仲の良い先輩の中村貴浩に話を聞くと、「仲田は九州繋がりだし、すごく可愛いです。でもまださんぴん茶を貰っていないので、認めてもらえてないのかもしれません」とさんぴん茶を渡される事を“仲間の証し”だと思っていた。

 

そんな沖縄を愛する仲田が野球を始めたキッカケは父親だった。

「よくゲームセンターでサッカーボールを取ろうとしていたら父が嫌がり、その時欲しかった3DSというゲーム機を買うから野球をやってくれと頼まれたので始めました(笑)」。

父の素晴らしい交渉術が光った。ちなみに選んだソフトは『逃走中』だったそうだ。

仲田少年は野球を始めてすぐに打つことが大好きになった。ホームランだけじゃなく、大事な場面で打てるような選手になりたいと子供の頃から想っていた。

そして家族みんなの夢であったプロ野球選手になれた。

「僕が野球を続けられるために、お金の面でも色々とサポートしてくれたり、ずっと迷惑ばかりかけてきたので、広島で活躍して家族みんなを泣かせられるくらい喜ばせたいです」。

 

 

これからどんな化け方をしてくれるのか、焦らずに見守りたい。

そして、マツダスタジアムのバックスクリーンへ突き刺さるような大きな大きなホームランを楽しみにしている。

 

ライター・ゴッホ向井

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