いつでも平常心『クールスナイパー』森浦大輔|カープ道リレーコラム第67回

ライター/尾関高文(ザ・ギース)

 

今季カープ躍進の中心にいると言っても過言ではない森浦大輔投手。常に冷静なマウンドさばきと無敵のチェンジアップで、何度もチームを救ってくれています。今期はここまで43試合、防御率1.42(9/18現在)と圧倒的な数字の森浦投手ですが、6月にはソフトバンク戦で三者連続三球三振の偉業も成し遂げましたよね。

そんな森浦投手は今シーズンキャンプ中からストレートに磨きをかけていたのが印象的でした。去年思うような活躍ができなかった分、基本に立ち返り力を入れずにストレートを投げることでストレートのキレが増しました。さらにそれによってチェンジアップがさらに無敵になるという好循環になっています。

しかしそんなチェンジアップばかり注目されますが、実は今シーズンさらに良くなった球種がカーブ。石原捕手曰く、曲がってから速度が増す「加速カーブ」状態になっているとのこと。ストレートのキレを増すことで全ての球種が磨かれる。今年の活躍も納得です。

 

 

さらに森浦投手といえば、マウンドでも常にクールな印象がありますよね。慌てたり、喜んだりすることすら見た記憶がありません。しかしそんな森浦投手も笑顔が溢れる瞬間があるのをご存知でしょうか。そう、実は盟友石原捕手とのやり取りの中で我々も森浦スマイルを見ることができるのです!

この情報は以前私が知り合った「バッテリーマニア」の方にお伺いしました。バッテリーのつながり、そして二人のドラマに胸が高鳴るファンをバッテリーマニアと呼ぶとのことなのですが、森浦投手、石原捕手は言わずと知れた天理大学バッテリーですね。その方は大学時代からお二人を追っていたそうなのですが、そんな二人がプロ野球で同じ光景を見ることができるなど、とてつもない奇跡だとおっしゃっておりました。確かにそう考えるとそこには二人の熱いドラマが垣間見えます。

大学時代から、いや小さな頃から感情を爆発させることは少なかった森浦投手ですが、そんなバッテリーを組む石原捕手とならば自然と笑みが生まれてしまうのも納得です。キャンプ中や、ふとした練習中などにそんな姿を見ることができます。ぜひ皆様もその瞬間に注目してみてください。特に二人が話していると森浦投手のレアな関西弁も聞けるとのことです!

私も今年のキャンプで、偶然にも森浦投手とお話しさせていただく機会があったのですが、実際話すと笑顔も多く気さくで、こちらにも気を遣ってくださる、とっても素敵な青年でした。痩せやすい体質なので夏場は体重をキープするためにとにかく食べなくてはいけないんですと、キャンプ中もご飯をたくさん食べておられました。

森浦投手のまた違った凄さをスカウトの鞘師さんからもお伺いしたことがあります。

「普通はスカウトが見に来ると、チラチラこっちを見たり、アピールしようとするんですが、森浦はいつも淡々としていました。その姿はプロになっても変わらない。周りに流されず自分のペースをしっかりと作れる素晴らしい選手です」。

確かに自分をしっかりと貫く強さを森浦投手は持っているのを、我々ファンも感じますよね。感情を表に出さなくても、笑顔を見せなくても、心に秘めた強さはみんなに伝わっています。怪我だけしないで、レジェンド級のピッチャーとしてさらなる活躍を期待するばかりです。

最後に森浦投手のお茶目な一面をご紹介してお別れです。森浦投手は「ラーメンが熱いから」と氷を入れていた。今シーズンもあとわずか。頑張れカープ。頑張れ森浦投手!

 

 

CarpCarpCarp広島ホームテレビで毎週水曜深夜に放送されている「カープ道」。カープを知らない、興味ない、乗っかりたい人必見のカープ学習番組です。CarpCarpCarpでは、毎週木曜日に番組出演者によるリレーコラムを掲載中です。

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