巨人戦で初白星を逃がしたコルニエル 試合後の栗林との会話を明かす
来日4年目。今シーズンから先発に転向した、ロベルト・コルニエル。
今シーズンは2試合に登板し、勝ち星こそないものの、クオリティスタートを続け、先発としての役割を果たしている。(※クオリティスタート=6回以上自責点3以内)
先発ができることに驚きながらも感謝を口にしたコルニエルは、 中継ぎの時よりも2倍の練習をし、体を追い込み今シーズンに臨んだという。
(成績は5月6日(土)現在)
■黒田さん直伝の「ツーシーム」に手ごたえ
ここまで防御率1.32と好調の要因は何なのか。
「今まではストレートばかりで緩急を使えていなかったけど、球種が増えたからうまく使えています。いろいろなスピード・コースを使って投げられているのが良いピッチングに繋がっています」。とコルニエルは語る。好調の要因は「緩急」。 昨シーズン、変化球を投げたのが全体のおよそ3割だったのに対し、今シーズンはおよそ8割で、 スピードに変化を出すことでバッターを打ち取っている。
そして、今シーズン多く投げている変化球の中でも印象的なのがツーシーム。 この、”新球”に対してかなりの手ごたえを感じているという。
「ツーシームを覚えたことですべてが変わった。リリースポイントが安定してきてコントロールが良くなった。 不利なカウントでも自信をもって投げることができています」。
特に意識して投げているのが右バッターへのインコース。 相手の懐に食い込むボールを投げ、インコースを意識させることで投球の幅が広がっている。 そのツーシーム教えてくれたのが、日米通算203勝を挙げ、今シーズンから球団アドバイザーとしてカープに戻ってきた黒田博樹さんだった。
「(黒田さんから)真っすぐと同じように腕を思い切り振って、ヒットを打たれても諦めない。何度も腕を振って投げるように言われました。いつも試合の後に黒田さんからメッセージをもらって、すごくモチベーションをもらっています。黒田さんから、今やっていることは(僕にとっても)すごく嬉しい。もっともっと頑張って!ピンチになっても諦めないでと言ってくれました」。
今でも試合後に黒田球団アドバイザーとやり取りをしていることを明かしてくれたコルニエル。 教えてもらったツーシームを武器に新たなピッチングスタイルを築いていく。
コルニエルといえば、プロ野球歴代2位の165キロを誇るストレートのイメージが強いが、ストレートについて今はどう考えているのか。
「スピードに自信は持っています。でも今はそれだけじゃなくていろいろな考え方を持っていないといけない。スピードを出すポテンシャルは持っていると思います」。
今シーズンの最速は157km/hで他のピッチャーと比べると十分速い。それでも、本人はあくまでコントロール重視だ。
■守護神・栗林良吏との関係
9回に守護神・栗林が打たれ、先発初勝利を逃した4月29日の巨人戦。 試合後、栗林と交わした言葉について教えてくれた。
「栗林から「本当にごめんなさい、勝ちたかった」と。でもそれは試合だから負けることもあれば勝つこともある。だから仕方ないと伝えました。今までの栗林は見事だったから、たまたま良くない日だったけどそれは仕方がない。自分がもっと頑張る」。 仲間思いのコルニエル。栗林は一番仲の良い存在だという。
「いつも遊んでいるのは栗林。ナマケモノとか、あなたちゃんとやってくださいとか、仕事してくださいとかよく言い合っている」。
いつも冗談を言い合う仲でも、野球となると話は別だ。
「すごくポジティブな人で、仕事をする時、練習をする時はすごく真面目にやっている。いつも競い合っていて栗林はコルニエルがやることはやりたい、僕は栗林がやることはやりたいと。特別なことは言わないけど栗林と同じように頑張っていきたいです」。
チームに溶け込み心身ともに充実して送る今シーズン。 先発転向を決めた新井監督も大きな存在となっている。
「新井監督はすごくコミュニケーションを取ってくれる人。選手と話をして、選手の言葉をいつも聞いている。自分のできることをやって選手のモチベーションを上げていてすごく良い監督です。 フェニックスリーグの時からコルニエルのことを信じていると言ってくれて、とても感謝しています」。 と、新井監督への思いを口にした。
先発ローテーションの一角としてシーズン通しての活躍が期待されるコルニエルに今シーズンの目標を聞いてみた。
「今シーズンは10勝したい!でもまずは先発初勝利。1つずつ勝って、神様にけがをせずシーズンを過ごせるようにお願いしたいです。」
モデルチェンジしたピッチングを確立させ、大きな目標へと突き進んでいく。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 5月6日放送
CarpCarpCarp編集部