ディズニーアニメのアラジンは2万回は見ました！

「ディズニーアニメのアラジンは2万回は見ました！セリフも覚えていますよ！」

そう言って、野球の事を中心に聞いていたインタビューで、緊張した表情から一転、ディズニーの話になると可愛らしい笑顔になって、夢中で答えてくれたプロ1年目の選手がいました。

それが、2018年ドラフト3位でカープに入団した、智弁和歌山高校を卒業したばかりの、林晃汰選手との初めての出会いでした。

 

 

今回のコラムは、将来カープのクリーンナップを打ってくれるであろう若き左の大砲【林晃汰選手】について書かせて頂こうと思います。

今シーズン開幕前に出演させて頂いた「カープ道」で、開幕戦オーダーを予想する企画があり、僕は期待も込めて6番サード林晃汰選手と予想したのですが、残念ながら開幕1軍とはなりませんでした。

一昨年は102試合に出場したのですが、去年はまさかの１軍に一試合も出場することが出来なかった悔しさは、計り知れなかったと思います。

 

しかし、腐る事なくバッティングフォームの変更に着手し（構えた時にグリップの位置を高くするなど）ブレずにやり続け、ファームで結果を残し、ついに5月に2年ぶりの1軍昇格を果たしたのでした。

そして、5月23日に行われた対中日戦で、カープでは2013年の助っ人外国人キラ・カアイフエ以来となる、マツダスタジアムのパフォーマンス席下の看板に直撃する特大ホームランを僕達に見せてくれました。

 

5月23日にマツダスタジアムのパフォーマンス席下の看板に直撃するホームランを放つ

そのホームランを見て、僕は以前ある番組で林選手の故郷である和歌山でロケをした時のことを思い出しました。

 

都市伝説みたいな話

林選手のルーツを探る和歌山でのロケの中で、林選手が中学生時代に所属していた紀州ボーイズの監督にインタビューした時の事です。

監督からバットをボールの下に入れてすくい上げるようなバッティングを教えてもらい、一気にホームランの数が増えた林選手。

 

その紀州ボーイズは紀ノ川の河川敷にグランドがあり、そのすぐ横で別チームが使っているグランドがあったのですが、中学生時代の林選手がホームランを打ちまくり、横で練習している別チームのグランドのホームベース付近にホームランを入れまくるので、隣の別チームがそれまで固定していた、一度も変えた事がなかったホームベースの位置をわざわざ変えたのだとか。

 

都市伝説みたいな話ですが、その時からすでに規格外のパワーとバッティングセンスがあったんですね。なので今回の超特大のホームランも、当時を知る人から思えば、打つべくして打ったホームランなのかもしれません。

 

高校最後のユニホーム

そしてなんとそのロケで、林選手の実家にもお邪魔しました。

 

まず驚いたのは林選手が過ごした部屋は、母屋とは別の、実家の裏手にあるハリウッド映画で見たことがあるような大きなトレーラーハウスだったのです。

「トレーラーハウスだと固定資産税がいらないんですよ。笑」

笑いながら冗談混じりに話すお父様に、案内してもらったトレーラーハウスの中に入ると、真ん中にコタツがあり、そこを取り囲むように林晃汰博物館と言っても過言じゃないぐらいの野球グッズで溢れかえっておりました。

 

その中でも特に目を引いたのは、林晃汰選手が智弁和歌山高校時代着ていたユニフォームが飾られていたのです。

なんと、このユニホームには甲子園の土の汚れがついたまま保管されていたのです。

 

林晃汰選手が智弁和歌山高校時代着ていたユニフォーム

 

「これ、晃汰が高校生最後の試合で甲子園で着ていたユニホームなんですよ。」

そのユニホームは激しいプレーを幾度も繰り返したのでしょう、智弁和歌山高校の「智」という字が見えなくなるくらい、甲子園の黒土で汚れていました。

 

なぜこの状態で保管しているのか理由をご両親に聞いてみると、

「プロになっても、忘れてほしくないんです。常にユニホームを泥だらけにするぐらい、がむしゃらにプレーすることを。」

 

そう言って、当時の事を懐かしむように、その泥だらけのユニフォームを見つめていらっしゃいました。

ご両親の息子への熱い想いを近くで感じ、より一層、林選手を応援しようと思いました。

 

晃汰はわしらのヒーローなんよ！

そして最後に、林選手が小さい頃から「ミックスジュース」を飲みに通っていた実家近くの喫茶店に行くと、そこには小さい頃の林選手を知る常連さんが沢山集まっていて、口を揃えて「晃汰はわしらのヒーローなんよ！」と自分の息子や孫の事を話すかのように楽しそうに語ってくださりました。

こんなに愛されている林晃汰選手。これからどんな選手になっていくのか楽しみでなりません。

 

林選手が大好きでアラジンを2万回見てるみたいに、我々カープファンが2万回、いや何万回も繰り返し見たくなるような、カープパフォーマンス席に飛び込む超特大ホームラン！そしてユニフォームを真っ黒にするがむしゃらプレーを期待しています！

 

ライター／ボールボーイ佐竹（カープ芸人）

 

広島ホームテレビで毎週水曜深夜に放送されている「カープ道」。カープを知らない、興味ない、乗っかりたい人必見のカープ学習番組です。CarpCarpCarpでは、毎週木曜日に番組出演者によるリレーコラムを掲載中です。