ココがすごい!頂点目指す新井カープの独自采配を徹底分析〜後半戦〜【カープ道】
後半戦突入後、チーム一丸となって頂点を目指すカープの勢いに期待を抱かずにはいられない。広島ホームテレビ『カープ道』では、前回に続き、日々最前線で取材を行う“カープ道ファミリー”がスタジオに集結。今シーズンのカープの強さと新井貴浩監督の独自采配を徹底分析する。
ゲストは、朝日新聞社の記者・辻健治さんと榮真樹アナ。そしてJ SPORTS中継のベンチリポートやウエスタン・リーグ等を担当するフリーアナウンサーの佐久間むつみさん。新井カープの凄さを語り尽くす。
思い返せば、新井監督は就任直後のキャンプで、「好き嫌いで起用しない。カープという大きな家の中に選手がいる。家族同然」と目指すチーム像を語っていた。榮アナは、「一軍昇格した選手を即スタメン起用。打てなくても次の試合も使う。それが新井カープの選手起用法じゃないか」と話す。
家族という新たな例えでチームづくりをする新井監督。機動力野球の復活を掲げて、攻撃陣の立て直しに挑み、去年最下位だった盗塁数が激変。リーグトップまで大躍進した(7月26日時点)。「ミスをしてもいいからやってみよう、という走塁意識。盗塁数が33盗塁でリーグトップになった時、試合後に新井監督に質問したら“セ・リーグトップなの?”って逆に驚かれた」と辻さんは明かす。
投手陣について、辻さんは「就任会見の時、新井監督は救援陣の立て直しというのを重要なテーマに掲げられて、今年はうまくいっていると思う。N.ターリー投手、島内颯太郎投手、矢崎拓也投手が非常に頑張ってくれている、というのがあるので、先発投手のマネジメントができる。うしろがしっかりしているからこそ」と話す。その救援陣の中でも、大車輪の活躍を見せているのが5年目の島内投手。「打たれてもいいと首脳陣から言われたのが、割り切れる要因。メンタルの成長が大きい」と辻さん。「その細かい部分は『カープ道リレーコラム・辻記者“島内颯太郎の快投に期待!”』に書いた」とPRも欠かさない。
ファンを熱くした前半戦のナイスゲームを聞くと、佐久間さんは「ジェット風船が復活した日でもある6月28日。森下暢仁投手がレフトスタンド上段に飛び込むプロ入り初のHRを放ち、二刀流で活躍した試合。それまで静かだった記者席が、森下投手のHRで“おー”ってなって、記者たちが一斉にカチャカチャ記事を書き始めた」と振り返る。
辻さんが選んだのは、広島ホームテレビの中継だった4月16日のヤクルト戦。当日誕生日だったセンター秋山翔吾選手、先発の玉村昇悟投手、実況の廣瀬隼也アナと、奇跡の誕生日ラインが完成した日。「途中から雷雨で一時試合が中断。しばらくして晴れてきて、ライトスタンドに虹がかかったので、写真撮ってSNSに投稿すると“何かの吉兆では?”と話題に。その直後に田中広輔選手の同点満塁HRが飛び出し、投稿をどんどんリツイートされて通知が止まらない状態になった」。300件以上のリツイートに、3000に迫るいいね!と大反響だったという。
榮アナは、7月6日、ベテラン右腕の野村祐輔投手が今季復活後、初勝利をあげた試合を選んだ。「この日は広島が西日本豪雨に襲われた日。このゲームは野村投手にとっても、大きな転機となると思うし、広島にも勇気を与える勝利ではないか」と語る。
辻さんが後半戦、期待する選手は「羽月隆太郎選手。代走のスペシャリストになってほしい。失敗しても何も言われないというチームの中で、思いっきりチャレンジできるようになった。走りまくって他球団にプレッシャーを与えてほしい」と願う。
佐久間さんは「菊池涼介選手を超えたいと言っている矢野雅哉選手。第2の忍者と言われるほど守備では頼れる存在。投手の両サイドに忍者がいるチームってヤバい」と期待する。榮アナは「バッティングも非凡なものがあって、去年自身初のHRを放った。パンチパーマだけに“パンチ力(りょく)”も」と、シメのコメントを放った。
広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 8月2日放送
ライター 湯谷葉子