プロ3年目の髙木翔斗、鈴木誠也から届いた「良かったな」のLINE。もっともっともっとやれと言われました

プロ2年目の昨季は、ルーキーイヤーと比べると1年の流れについて行けるようになり、周りをあまり気にしすぎずに野球に集中することができたという。

そして廣瀬純コーチから2年目のシーズンが始まる前に言われた「慣れたか?慣れはダメだぞ、ちゃんとやってないと通用しないし後悔するぞ」という言葉で改めて身が引き締まった。

これまでの課題はバッティング。考え過ぎてしまったり、なかなか思うような結果を残すことができなくて、この2年間は手応えを掴むことは出来なかった。その分、3年目の今年に懸ける想いは強い。

 

 

■ 西川龍馬、野間峻祥の背中を見て

 

オフに入り、身体をとことん鍛え抜いた。

秋季キャンプから広島に帰ってきてすぐに先輩の野間峻祥、西川龍馬と共にトレーニングジム・アスリートネクストへ毎日通った。

今サボってやらずに後悔をしたくないと、他のチームメイトは地元に帰って行く中、髙木だけが残り、年末ギリギリまで通い続けた。

 

「龍馬さんと野間さんと一緒にやらせていただいててとても充実していました。アスリートのジム代金は有難いことに龍馬さんに出していただいて、体重を増やすために毎回トレーニングの前後に食べていた食事代は全て野間さんに出していただきました」

 

身長188センチ、体重92キロ。大型捕手と呼ばれるその身体をこのオフで体重MAX102キロまで増やした。

「會澤さんにも言われたんですけど、キャッチャーは増やせるときに体重を増やしといた方が良いと。なのでしっかり食べることと、ウエイトトレーニングはシーズン中も継続してやっていかないとなと思っています」

 

 

■ 師匠鈴木誠也から「もっともっともっとやれ」

 

年末年始に地元へ帰省はしたが、母校でトレーニングの毎日、そしてすぐに沖縄へ移動した。今オフはカブスの鈴木誠也の自主トレに弟子入りをした。こんな機会はないと、一日でも1時間でも無駄にせず一緒にトレーニングをしたいという理由で成人式にも参加しなかった。

 

そんな誠也に会うのはこれが“初めまして”だ。

どういう人物なのかも知らない。緊張が3日間ぐらい続いたという。やはり大リーグでプレーする鈴木誠也の第一印象のインパクトが凄かったのだ。

 

「いや、もうえぐいっすね(笑)。初めてあんな打球みました。あとやっぱり野球になると目の色変えて、ものすごく考えるんで、その姿勢も本当にかっこよかったですし、自分はまだまだ足りないなっていうのは感じました」

 

学ぶところだらけの毎日。この人と一緒に練習をすることができたら、何か自分も変われるかもしれない、食らい付けば絶対に成長できると感じた。そして、緊張も少しずつほぐれて徐々に距離感も縮めていけた。

 

「堂林さんと末包さんが護摩業で抜けた間に、僕と内田と誠也さんとで3人になったんですけど、その期間でより声をかけてくれたりして一気に距離が縮まりました。バッティングを教わったりだとか、プライベートでも沢山可愛がっていただいて、本当に優しい方でした」

 

そんな誠也から言われた言葉は「常日頃の全てを野球に繋げろ」である。

 

食事中もずっとバッティングの映像ばかり見ている鈴木誠也の姿を見て驚いた。

「そういうところでもまだ2軍である自分たちがそれ以上に考えないと、上の選手にはなれないなと思いました。やっぱり野球ができるのって若いうちだけなんで、本当にもっともっともっとやれっていうのはたくさん言われました」

 

3年目を迎えたプロ野球生活、今までのままではダメだと、このオフは全てを野球に注ぎ込んだ。今季は同期や後輩だけでなく、試合に出て活躍をするために、誰にも負けたくない。その自信と覚悟を持ってチームに合流をした。

球春到来、2月1日にプロ野球がキャンプインとなったが、髙木は初の1軍組でのスタートとなった。

 

「誠也さんから『良かったな』ってLINEが来てて、何のこと?と思ったら1軍メンバーだったんでそれで知りました(笑)。誠也さんからは『周りから沢山言われることもあるだろうけど、しっかり自分を信じて頑張れよ』と言っていただきました。まずは今オフにやってきたことをしっかり継続してキャンプを頑張ります」

 

このオフ、家族とはあまりゆっくりは過ごせなかったが、みんなが翔斗の活躍を楽しみにしている。野球に真摯に向き合う姿を見て喜んでいることだろう。

 

ドラフトで指名されたときに人生で一番泣いてくれたという父からも「後悔しないように、もっともっとやりなさい」と言ってもらえた。

父の言葉は誠也から言われた残像と被るものを感じたという。

今年の1番の目標は1軍デビュー。

近道は無い、一歩ずつ頑張ってきた毎日がきっと結果に繋がるはずだ。

 

 

 

ライター・ゴッホ向井

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