カープ中継がもっと楽しくなる!実況アナが極意を熱く伝授【カープ道】

シーズンが開幕し盛り上がる中、今年9年目に突入した広島ホームテレビ『カープ道』。そこで今回は、スタジアムの熱気と鯉戦士の活躍を伝える言葉の魔術師、実況を担当する廣瀬隼也アナを招き、実況の極意を伝授してもらう。

 

 

 

実況歴18年の廣瀬アナ。担当する試合用に、両チーム分のデータをそろえ、かなりの情報量を持って実況にのぞむ。中でも準備に余念がないのが新戦力について。選手をよりわかりやすくするため、打つ前にアピールポイントを伝える工夫をするという。「たとえば田村俊介選手なら、“3年目の20歳。去年は10試合に出ました。悔しい離脱もありました。その中でバッティングが買われて、侍ジャパンにも選ばれました。オープン戦では3本のHRを放っている。そんな期待の若鯉が打席に入ります”」と、手本を見せた。

 

 

実況は、実況アナと解説者が「予測」、「結果」、「振り返り」を繰り返す共同作業だという。廣瀬流実況の極意としてあげるのが、<選手の活躍をいかにカッコよく見せてあげられるか。どんな額縁を添えて言葉をつむぐか>。「去年、床田寛樹投手が自身初の偉業達成に挑んだ試合。“床田、チームの期待に応える122球の熱投。7年目で自身初、2ケタ10勝が叶いました”と、要素を凝縮して伝えるのも大事」と話す。

 

 

続いては、<ストーリー性を伝える>。去年の8月17日の阪神戦。負けが込んでいたカープは、8番に菊池涼介選手、1番に上本崇司選手と打順を組み替え、上本選手にタイムリーヒットが生まれたので、“新井貴浩監督の選手起用が機能した”と新井采配を際立たせたという。さらには、驚くほどすごい打球が飛んだ時には、“うわぁ〜”と普通に叫んで、感情の共有も大事だと言う。

 

 

去年8月3日DeNA戦での床田投手とT.バウアー投手の投げ合い。10月1日の一岡竜司投手の引退登板、と思い出に残る場面に出くわしたという廣瀬アナ。名場面としてあげるのが、去年4月16日のヤクルト戦。6回の裏、2アウトでバッターは田中広輔選手。「“ストレート。打った。打球はライトへ伸びていって、田中広輔の打球が入った。なんというバッティング。満塁HRだ。ガッツポーズ田中広輔。振り抜いた一撃は、同点になりました”と実況。ファンはここ数年、田中選手が苦しんできたことを知っているので、ガッツポーズというしぐさや表情は逃したくなかった」と振り返る。

 

 

ここで番組MCの中島尚樹さんが、名場面の実況に挑戦するが、「何か言おうと思っても、展開が早すぎてうまくいかない」と苦笑。最後に廣瀬アナは、「これから実況で、新たなチャレンジを考えている」とだけ、言い残した。

 

 

3月29日のシーズン開幕日。焼き鳥『カープ鳥』の「球場前」、「駅前」、「中の棚」の3店舗限定で販売がスタートした、「カープ道(豚ハラミ)」(1本220円)と名付けたコラボ串。売れ行きを確かめに、『カープ鳥 球場前スタジアム』を訪ねた。代表取締役社長の牟田亮介さんからは、「販売開始から2時間で10本出た。開幕から10日間で300本を目指す」と聞き、番組を見て来店し、「カープ道」串を注文したというお客様にも遭遇した。ちなみに、西川龍馬選手の名が付いた「鳥肝」は、今年は田村選手に引き継ぎ。各店舗に推し選手串が登場し、「球場前スタジアム」は、「高太一」(豚バラ梅シソ巻き)が推し選手串だそうだ。

 

 

 

広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 4月10日放送

ライター 湯谷葉子

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